魔物界最強妻(ウサギ)と自称最弱夫(男の娘)の、もふっと世界ぶらり新婚旅行

ねこみみかん

第1羽 婚約?

 僕、香月 莉緒リオは、ひょんなことから死んで、こちらの世界にやって来たはずだ…


 死んだときの記憶は、全く覚えていない。体には傷1つ無く、自分がどうやって死んだのかさえ、分からない始末である。


 僕は本当に死んだのだろうか?…そんな疑問が頭に浮かぶ。


 それはさておき、どうしたものか??周りを見渡して見るも、森、森、森。ひとっ子1人居ない。


「あぁーーどうすっかな!」


 僕はふかふかの草の絨毯に横になった。あぁ〜気持ちいい、このまま1回寝ちゃおうか…僕は照りつける太陽の暖かさと、自然が生み出す音色で、眠りに誘われた。


 ーーーーーーーーーー数時間後ーーーーーーーーーー


「?…暖かい?」


 僕はゆっくりと目を開けると、ルビー色に輝く瞳のウサギと目があった。


「やぁ、こんにちわ。」

「きゅい?」


 言葉が通じるわけもないか…それにしても、このウサギちゃん、いい毛並み……いやいや、それよりも僕より大きいな、このウサギ………あぁ、これは夢か、夢ならもふってもいいよな。モフリタイーム!


「きゅう?」


 なんだこの毛並みは、綿飴のような軽いもふもふ。あぁ、この長い耳の中のもふもふは、また違う…


「きゅう〜♡」


 ん、何故か懐かれた気が…それよりも、もっともふらせろー!!


『森の王者、種族名ビック・ラビット(メス)の求婚を受けますかYes/No』


 ん?何だよ、今僕はもふもふを堪能していたのに、水を差しやがって、…取り敢えずYesで…これで、このもふみは僕の物だ!!


『香月莉緒(男)とビック・ラビット(メス)の婚約が受理されました。香月莉緒(男)のレベルが1から、27まで上がりました。婚約魔法のレベルが2に上がりました。ステータスは、ステータスオープンと言えば、確認出来ます。』


 ??…えぇ〜と、なんだ僕は、このウサギさんと婚約したのか?それと、この左薬指にハマってるウサギマークの彫られた指輪は、何なんだ…そうか、婚約指輪か!


 うんと…てことは、僕の人生初の彼女けん婚約者は、このウサギなんだな。


「きゅ?きゅい、きゅい♡」


「こ、こら、こちょばいって、」


「きゅ…」


 そんなウルウルとしないでくれよ…


「あ、ごめん、ごめん。拒絶してないよ。」


「きゅい?」


 軽く決めちゃったけど、まずはちゃんと挨拶からだよね、こういうのは。


「不束者ですが、宜しくお願いします。」


「きゅい♡」


 ウサギさんの事を、いつまでもウサギさんという訳にはいかないので、名前を考えることにした。


 ………ラビット…兎…宇佐美…イースター…よし!決めた、この名前にしよう。


「ウサギさん、君の名前はこれからイースターだよ。」


「きゅい♡」


 ふふふ、気に入ってくれたみたいで何よりだ。さて、お腹が空いて来たな。どうすっかな、木ノ実とかあればいいんだけど…


「イースターさん、何処かに木ノ実とかあったりしない?」


「きゅう〜きゅ!!」


 お!あるのか、ちょっ?!イースターさん、僕を持ち上げてどうするの?


「きゃあーーー!!」


 イースターさん、これ死んじゃう死んじゃう!!いや、僕もう死んでるんだっけかってそんな場合じゃなかったぁー!!!……


「きゅ!」


 もふもふ、もふもふ…ここは天国か…いや、イースターさんの背中の上だった。何処に向かってるんだろう?…てか、さっき思いっきり女見たいに叫んじゃった、恥ずかしくてイースターさんを見てられない…


 ーーーーーーーーーー10分後ーーーーーーーーーーー


「おぉー!!」


 そこに広がっていたのは、一面の花畑と、その真ん中にぶどうのような木ノ実を実らした大きな樹木が1本あった。


 僕がイースターさんの背中から、降りて木ノ実を取るためにぴょんぴょんしていたら、イースターさんがその木ノ実を取ってくれました。


「ありがと♡」


 イースターさん、まじ最高


「きゅい♡」


「これ半分こしよう。」


 僕は木ノ実の半分をイースターさんに渡すと、イースターさんは嬉しそうに、ひと粒ひと粒噛み締めながらそれを食べていた。


 僕も食べよう…んん〜♡何これ、ぶどうだと思ったら、マスカット並だよ!この口に溢れ出す果汁、半日ぶりの水分に、体の細胞が喜んでるよ。それにこれひと粒でお腹も、気持ちも一杯だよ。もしかしてこれは、仙豆か何かなのかな?まぁ、そんなわけないようね…たぶん。た


「ふぅ〜」


 イースターさんはひと粒じゃ物足りないみたいなのかな?イースターさんも、幸せそうで良かった。……そういえば、この世界でイースターさん以外の動物を見たことないけど……まぁ、いいか。今は、このもふもふを堪能しよう!


 やっぱり何度触っても、良い毛並みだ…ん?さっき触ったときよりも、毛に潤いがあるような…


「きゅう〜」


「食べ終わったの?」


「きゅう。」


 どうやら、イースターさんも食べ終わったみたいだ。このイースターと一緒だったら、これからもやって行ける気がする。明日は、どんな出会いがあるのかな?


「かなり早いけど、寝よっか。」


「きゅ〜いぃー」



 そういえばさっきも思ったけど、僕が小さくなったのか、この世界の物が大きいのか…そういえば、僕の手も少し小さくなったような?ま、いっか。


 僕は仰向けで横になっているイースターさんのお腹にダイブして、妻を抱きしめながら、惰眠をおおかするのであった…z Z

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