葉留 脱出 ルート
第34話 女兵士ルナ
スキルを使い果たした葉留は兵士達によって牢獄に閉じ込められていた。
「ははは、まさか牢獄に入れられるイベントがあるなんてな」
異世界に来て不運が続き牢獄に閉じ込められるなんて想像もしなかった事態に笑いが込み上げてきた。
「真矢と桜は無事に逃げきれたかな?俺もカタルシア城塞に行ってみたかったな〜」
自分はここで死ぬんだと思い元の世界の事や異世界の事を思い出し顔は笑っていたが涙がとめどなく溢れてきた。
「あははは、泣いてる(笑)まだ絶望するのは早いと思うんだけど」
どこからかやってきた女性が泣いてる葉留を笑った。
「うるせー、俺はもうここで死を待つしかないんだ」
うつむく葉留に女性が言った。
「ふん、せっかく助けてあげようと思ったのにな」
助けると言った言葉に葉留は反応して女性に目を向けた。
そこに居たのは王国女兵士ルナだった。
「--なんでお前がここに?」
そう言うとルナは困った感じで。
「だってここ王国だし、私が居ても不思議じゃなくない?」
「いやそう言う事じゃないんだけど--なんで俺を助けてくれるんだ?俺は犯罪者だぞ」
葉留も不思議そうにルナに問いかけた。
「だって逃がした方が面白そうじゃん(笑)」
葉留の問に笑って答えた。
なぜ1度しかあった事のない相手を助けてくれるのか葉留には分からなかったが助けてもらえるなら有難い話だと思った。
「ただし条件があるの」
(やっぱり条件はあるよな、人を殺してとかじゃありませんように)
悪人を助けるのだから相応の条件が無いはずがない。
それはどの世界でも同じかと葉留は変な条件じゃない事を祈った。
ルナが条件を話し始めた。
「あなたの身体をいっぱい触らせてほしいの」
葉留は高校、思春期まっさかりの健全な男子であり、ルナの条件に変な妄想が膨らんでしまった。
「は……はあ、身体ですか--別に良いですけど」
若干もごもごしながら了承した。
条件をのんだ葉留にルナは笑顔になった。
「さすが兵士長を倒した冒険者葉留さんですね」
そう言うと笑顔で牢屋の鍵を外し鉄格子を開けた。
「ではさっそく身体を--」
「待って!ここから逃げ出せたら触っていいから今はとりあえず俺を助けてほしい」
葉留は冷静に今の状況を分析した。
それを聞きしょうがない感じで葉留に。
「分かったわよ、後からいっぱい触ってやるから!」
葉留は苦笑いしながらほっとした。
ルナは脱出ルートを葉留に話し始めた。
「この牢獄から外に出るには1つしかないわ--まずここは地下、階段を登った先には王室に繋がる廊下にでる--もちろん王室の前には侵入者が入らぬよう衛兵が見張っている」
「衛兵がいるんじゃ絶対見つかるじゃん」
と不安そうに葉留が言った。
「話は最後まで聞きなさい」
「その衛兵は交代時間になると数名が他の衛兵を呼びに持ち場を離れる--その時に残っている衛兵は1から2人程だ、それくらいなら私達なら一瞬で倒せるんじゃないか?」
それを聞いた葉留は。
「それくらいなら大丈夫……じゃない!俺はもう回数制限でスキルが使えないんだよ!」
葉留の焦った言動にルナは笑った。
「ははは、お前はここに閉じ込められて1日が過ぎてるからスキルは使えるはずだよ」
「そ、そうなのか……外が見えないから朝と夜がわかんなかった」
2人は互いに笑いあった。
「とりあえず作戦はここまでにして続きはまた後で話す」
葉留は笑いをやめ頷いた。
「では行くとしよう」
ルナを先頭に葉留の脱出作戦が始まろうとしていた。
(身体ってどこまで触られるんだ?ああもうダメだダメだ、集中しないと!)
もう1度言うが葉留は思春期の男の子である。
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