冬の夜

 帰り道、いつのまにか暗くなったことに気づいて見上げると、空には無数の光が瞬いていた。白、金、青や赤まで、とてもカラフルだ。

「見て」

 隣を歩く彼の腕を引いて、二人で足を止めた。

「夜景かな」

「きれい」

 見ているうちに、光は柔らかく滲んで、ところどころで混ざり合う。水彩画のようだ。

「水面だね」

「ゆらゆらしてる」

「きれいだね」

 私のお気に入りの角度で笑って、彼は私の手を取る。私たちの手袋の毛糸は少しずつ絡まって、夜が更けていく。


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2019.12.05 22:24

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