《 行動監視 》 5・6・7
5
長岡ナンバーの二人組と多摩ナンバーの男性は、渋川伊香保インターチェンジから関越道に乗って最初のサービスエリアで休憩をはじめた。
そこに尾行していた捜査員が、警察手帳を提示して、酒田巡査部長が質問をした内容と同じ質問をした。
一、お互いの名前は知らない
二、坂口浩介が、リーダーシップをとっていた
三、改造銃の話題はなかった
という結果だった。
五人の話は、一致していた。
6
八月十四日 午後十一時
坂口浩介を尾行している田辺警部は、関越道から圏央道に乗り、行きと同じ青梅インターチェンジから降りた。お盆の真っ只中渋滞こそなかったが時折、混雑程度に巻き込まれた。
このタイミングで、水月巡査から電話連絡がはいった
「いま、坂口浩介の実家に到着しました。」
「わかった。こっちは、青梅インターチェンジを出たところだ、あと一時間程でそっちに着く。」
と、伝えた。
坂口浩介の車は、順調に実家に向かっていた。
古里駅前の交差点を過ぎたあたりで、田辺警部は、水月巡査に電話で連絡をした
「もうすこしで、国道から外れる、そしたら、尾行は中止する。実家までは一本道だから、実家に到着したら、連絡をください。曲がったよ。到着したらよろしく。」
「了解しました。」
と、水月巡査は、答えた。
日付が変わった
八月十五日 午前0時十分
坂口浩介が実家に到着したという報告がはいった。坂口は荷物も降ろさないまま、家に入っていったという報告だった。
その報告を受けて、田辺警部は監視を任せて、捜査本部に戻った。
捜査本部に戻ったのは、午前三時を過ぎていた。
7
八月十五日 午前九時
捜査第一課10係係長の田辺警部は、捜査本部で朝を迎えた。さすがの遠征に、身体が強張っているのを感じた。
そんな中、坂口の実家を監視している、水月巡査に連絡をした
「おはよう、そっちの状況はどうだ。」
「はい、特に動きはありません。坂口やその家族も、家から出てきていません。」
と、報告をした。
さすがに、お盆の連休、家族ものんびり過ごしているのだろう。と考えていた。今年のお盆休みの連休は、今日が最終日。明日は16日になるから、社会が動き出す。そして、明後日が次の犯行日であろう一週間となる。
同日 午前十時
捜査員が集合した。
田辺警部は
「昨日は、おつかれでした。ただ、単純に行動監視になってしまったことが悔しく思っている。これ以上死者を出したくない。毎回同じことしか言えないのが申し訳ないが、なにかを見つけてほしい、お願いする。」
と、あいさつした。
安田警部補は、田辺警部に近寄って、こう言った。
「一度、家に戻ってください。」
「わかった。着替えてくる。」
と、言って、捜査本部を出ていった。
同日 午後一時三十分
坂口浩介の実家を監視している、水月巡査から、電話で連絡がはいった。電話は、安田警部補がとった
「坂口浩介が、昨日乗っていた、ケーラからライフルケース等をチェスターに載せ替えています。」
「そろそろ、アパートに戻るかもしれないな。」
「はい。」
「後方は、11係係長の下条警部に任せて、水月君は、先に下の駐車場で、待機をしてください。」
と、伝えた。
同日 午後二時
坂口浩介が乗った、チェスターが実家を出発したという報告があった。
それを聞いた安田警部補は、10係の永井巡査と大和北署の佐賀巡査部長にアパートの監視に行くように指示をした。
同日 午後二時二十分
田辺警部が捜査本部に戻ってきた。そして、坂口が動いたことを報告した。
田辺警部は、神奈川県警捜査第一課課長の佐々木警視に、一度県警本部に戻って、打ち合わせをしたいという電話連絡をいれた。
そして、安田警部補に捜査本部を任せて、県警本部に向かった。
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