《 第五の射殺事件 》 6・7

               6


 八月十日 午後七時三十分



 さっそく、田辺警部は、捜査第一課課長の佐々木警視や他の捜査員と、提出してもらった映像を見ることにした。



 そこで判ったことは


 一、軽自動車は A社 チェスター グレードS Chester

 二、ナンバープレートは 八王子 583 へ 7979

 三、運転者は 男性

 四、両方のドアミラー付近に箱らしきものが設置されている

 五、車体色は紺色 純正ホイール フロントグリルはメッキタイプ




 注目したのは、はじめて軽自動車用のナンバープレートが装着されていたということだった。これを見て、田辺警部は次の通り指示をした

「ナンバープレートから所有者を割り出してください。それから、警視庁に協力してもらい、警視庁管内と神奈川管内の自動車ナンバー自動読取装置(Nシステム)で、走行データを解析してもらい、追跡を開始してください。」



 所有者は、すぐに判明した


 所有者     坂口浩介

 登録住所    東京都西多摩郡奥多摩町



 田辺警部は、奥多摩町で軽自動車を捜索している捜査第一課11係の木島巡査に電話で連絡をした。すぐに、軽自動車の有無を確認して、折り返し連絡をください。無かったとしても今日は戻らず、奥多摩署で待機するように指示をした。


 千葉県、埼玉県に行っている捜査員には、戻ってくるように、指示をした




               7


 捜査第一課11係の木島巡査から、電話で連絡がはいった。


 田辺警部は、こう質問した

「該当する軽自動車は、ありましたか?」

「いえ、ありませんでした。」

「そうですか。午後四時三十六分、大和市内で事件がありました。その犯行に使われた車両が、木島巡査が探している車両に間違いがないという確認がとれました。」

「はい。」

「それで、これから登録住所にいって、張り込みをお願いします。」

「わかりました。」

「11係の捜査員を向かわせますので、合流してください。それから明朝。町役場が開いたら、坂口浩介の住民票を取得してください。現在そこに住んでいるかどうかを確認してください。」

「わかりました。」

 と、木島巡査は、返事をした。



 三時間後、11係の捜査員が、木島巡査と合流した。ただ、動きはなく、そのまま張り込みをつづけた




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る