《 第五の射殺事件 》 1・2・3
1
八月十日 午前六時
朝のニュースや情報番組のトップ項目は、この事件だった。アナウンサーは、交通ルールを守り、気をつけるように伝えていた。
相模原で起きた事件から今日で一週間。この一週間、民放各社のテレビ局は、この事件の一番の原因が、交通ルールだということを示しながらも、やはり身勝手な行為だと、犯人を言及していた。
2
八月十日 午前七時
いままでの捜査状況を10係係長の田辺警部に確認をするために、大和北署にある捜査本部に、神奈川県警捜査第一課課長の佐々木警視が臨場した。
佐々木警視は、こう問いただした
「いまだに、犯行に使われたと思われる軽自動車は見つからないのですか?」
「はい。昨日の段階で、58台の対象車両が未確認となっています。その内、35台が、神奈川県内です。」
「神奈川には、そんなに残っている。」
「はい。今日は、捜査員を神奈川に集中させて、捜索にあたるように指示をしています。」
と、田辺警部は、答えた。
3
八月十日 午後三時三十五分
東京都多摩地区を捜査している、11係の木島巡査から捜査本部に電話連絡がはいった
木島巡査は、こう報告した。
「これから、東京都の奥多摩町に行ってきます。最後の一台が奥多摩町にあります。」
「他の五台は、該当しなかったということですか?」
と、田辺警部は、確認をした。
「はいそうです。」
と、木島巡査は、返事をした。
この報告に、田辺警部は少し前に情報番組で赤井教授が言っていたことを思い出した。作業をするのに、田舎が適しているという話だった。奥多摩といえば、東京都の奥座敷と言われていて、森林や清流がある、自然豊かな場所だった。
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