《 第三の射殺事件 》 3・4・5

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 七月二十七日 午後二時


 大和北署には、神奈川県警捜査第一課から係長の鹿島修司警部をはじめ12係が臨場してきた。


 大和北署刑事第一課課長の星野警部は、第一回捜査会議を招集した。

そこで、いままで判ったことを発表した。


 捜査会議では、大和北署刑事第一課の工藤博一巡査部長が、野上朱美さんの状況を報告した

「野上さんのご遺体は、司法解剖に向かっており、死因の特定を急いでいます。救急隊員の話では、出血多量ということで報告を受けておりますが。詳細を確認しております。司法解剖に立ち会っている捜査員が戻り次第、詳細を発表します。」


 星野警部は、こう話した

「ご家族は、いまどうなっている?。子供の千尋ちゃんについては、わかっているが。ご主人の純司さんの動向はどうなっている?」


 浅倉警部補は、次の通り答えた

「ご主人の純司さんには、事件直後連絡を取りました。いま、千尋ちゃんが林間学校で行っている、山梨県に迎えに行っています。その後、こちらに来るということでした。」


「事件当時のご主人は、どこにいたといっているのか?」

「はい。会議のため、勤め先の社内にいました。」


「アリバイは、ありということか。」

「はい。巡回連絡カードに基づく連絡先が勤め先の固定電話でした。そこに電話で連絡をして、本人がでました。」


「アリバイは、完璧ということか。」

「はい。そうです。」

 と、浅倉警部補は、報告した。



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 七月二十七日 午後四時


 ご主人の純司さんと娘の千尋ちゃんが、大和北警察署に到着した。


 出迎えたのは、星野警部と佐賀巡査部長だった。


 娘の千尋ちゃんを、佐賀巡査部長に任せて、星野警部は、ご主人の純司さんに現状と奥様の状況を報告した。




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 七月二十八日 午前六時


 野上朱美さんの死因が司法解剖の結果、特定された。死因は、銃による射殺事件と判明した。

 その報告は、神奈川県警捜査第一課課長の佐々木警視にも報告された。


 その報告をもとに、佐々木警視は、合同捜査本部の設置を指示した。


 設置場所は、神奈川県警大和北警察署となった


 大和北警察署には、現在射殺事件の対応を行っている、県警捜査第一課10係・11係・箱根署刑事課・瀬谷北署刑事課の捜査員が、緊急招集された。そこには、神奈川県警捜査第一課課長の佐々木警視も臨場した。




 マスコミの報道は、さらに過熱していた。

《神奈川県下連続射殺事件》と名を打って特番を組む放送局まで出てきた。

ワイドショーは連日中継を含め、大々的に報道をしていた。そして各々が雇ったコメンテーターが、自らの考えを視聴者に届けていた。





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