カリン1-2

「えーじ、この子だれ?」

「あっ、えっと..」

「初めまして、シアちゃん。私はカリンです。英二さんの彼女です!」


「「えっ?」」


 シアちゃんだけでなく、思わず、俺も驚いてしまった。


「えーじ、ほんと?」


 な、なんだか、シアちゃんの顔が怖い。表情には出ていないが、なんというか....


「本当ですよ。ね。英二さん」

「いや、違うよ」


 ここは冷静に。落ち着いて。


「でも、昨日私とキスしたじゃないですか!」

「うっ!そ、それは..」


 シアちゃんが凄い目で睨んでくる。うー。もう言い訳は出ないな。


「キス、したの?」

「....はい」

「......」


 シアちゃんは俺の元へゆっくりと歩いてきた。


「えーじは、シアの事好き?」

「それって..」

「どう、なの?」


「....勿論、好きだよ」

「そう、良かった。じゃあ....」


 シアちゃんは更に俺との距離を縮め、そして、唇にキスされた。


「シアも、えーじの事が大好き!だから」


 シアちゃんは俺の腕にぎゅっと抱きつき。


「えーじは渡さない!」


 カリンちゃんももう片方の腕に抱きつき。


「私も、英二さんを渡す気なんてありません!」


「カリン」

「シアちゃん」


 これから、俺はどうなるんだ」


 ◼◼◼

「う~ん。おはよ~」


 やっと、起きてきてくれた。お願いニーナちゃん。助けて..


「お、おはよう、ニーナちゃん」


「お兄ちゃん、何してるの?それと、その子だれ?」

「初めまして。私カリンです。英二さんの彼女です!」

「お兄ちゃん、彼女いたの?」

「ニーナ、違う。カリンが勝手に言ってるだけ。気にしちゃ、ダメ」


「ふーん。それで、お兄ちゃんはどうして2人に抱きつかれてるの?」


「そ、それはね。ねぇ、2人とも。そろそろ離れてくれない?」


「カリンが離れてら、シアも離れる」

「私もシアちゃんが先に離れてくだされば、離れます」


「って感じをずっとやってる訳」

「たいへんだね~。お兄ちゃん」

「うん。だから、ニーナちゃん助けてくれない?」


「え~。どうしようかな~」

「頼むよ。今度、ニーナちゃんのやりたい場面やってあげるから」

「このニーナちゃんに任せなさい!」


 切り替え早いな。


「ねぇ、2人とも。えーじお兄ちゃんは2人のものじゃないよ!」


「そ、そうだよ。俺は誰のものでもないよ。皆の─『えーじお兄ちゃんはニーナのだよ!』─えっ?」


 ニーナちゃんは俺の所まで、走って飛び付いてきた。

 その反動で俺は少し態勢を崩してしまった。


 起き上がると、ニーナちゃんの顔がすれすれまで近づいていた。


 にこっ、と笑い。そして、唇にキスされた。


「2人なんかにお兄ちゃんは、渡さないよ!」


「..ニーナ」

「..ニーナ、ちゃん」


「お兄ちゃん、これから頑張ってね」

「う、うん」





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