クリスマスイヴ 3

 それぞれジュースを持って(俺もジュースだ。流石に酒はまずいよな。皆いるし)


「それじゃあ、メリークリスマス!」


「「「メリークリスマス!」」」


 皆それぞれ好きななものを食べだした。

 俺はチキンをとり、食べやすい大きさにカットし、3人のお皿に乗せた。


 さぁ、俺も食べよう。

 ん~。上手い!クリスマスの食べ物ってこんなに上手いんだな。


「えーじ、楽しい?」

「ああ!むちゃくちゃ楽しいよ!」

「そう。よかった」


 1人じゃないっていいな。生きていた頃はクリスマスなんて気にもしなかったし、それに、普通に仕事だったし。


 こういう事が出来るってやっぱり幸せだな。


 料理は1時間ほどで食べ終わった。


 ケーキを食べようと、冷蔵庫から持ち出し、机に置こうとすると、3人の姿が見当たらない。

 あれ?どこいったんだ?


 一度ケーキを机に置き、部屋を探し回った。

 うーん。1階にはいない。なら2階か。

 でも、な..


 そうこう考えていると、3人が2階から降りてきた。


「皆、どうしたんだ。急に....えっ?」


 俺は思わず、二度見してしまった。

 だって、3人はサンタになっていた。


「どう、えーじ。にあう?」

「いえーい、ニーナサンタだぞ~」

「英二さんに私の愛をプレゼントします!」


 シアちゃんとニーナちゃんは肩掛けのついたサンタコスだ。本当に仲良しだな。

 カリンちゃんは肩を少し出したちょっと際どいサンタコスだ。


 皆、可愛い過ぎる。


 世の中のリア充はこんな事をしていたのか。まったく、羨ましい限りだ。


「皆、すげー似合ってるよ!」


「ふふっ、頑張った甲斐がありましたね」

「うん。頑張った」

「ねぇ~早くケーキ食べよ~」


 ニーナちゃん相変わらずだな。


「そうだね。ケーキ食べよ」



 ◼◼◼

「ん~。ケーキ美味しいです!」

「ニーナ毎日、ケーキ食べてたい!」

「甘くて、おいしい」


「うん!皆で作るとやっぱり美味しいね!」


 また、来年?もしたいな。

 そうだ。プレゼントはどうしよう。

 俺が用意出来る物なんて本当に限られてるし。かと言って、シアちゃんたち持ってきて貰って、はいどうぞって言うのも味気ないしな。


「えーじ、何悩んでるの?」

「あっ、えっと、ね。クリスマスはね、子供たちにプレゼントをあげる習慣があるんだけど、俺は皆にプレゼントをあげられないなって」


「そんな事、ないよ」

「そうだよ。お兄ちゃん」

「はい!英二さんには沢山のプレゼントを貰ってます!」


「いや、俺は..」


「皆、それぞれ貰ってます!思い出を」

「うん。えーじと過ごす、毎日がシアたちにとってのプレゼント、だよ」

「だから、ニーナたちにはクリスマスプレゼントはいらないんだよ」


「..み、みんな。ありがとう」


「えーじ、これからも、シアたちと思い出作ろうね」

「うん!」


 この日は俺の人生で一番のクリスマスになった。

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