ぷろろ~ぐ

Day 0-1

 この世は働きすぎている人間が多すぎる。皆も思うだろ?

 現にブラック企業が後を絶たない。その所為で自殺や過労死する者が続出している。非常に残酷だ。こんな腐った社会で生き延びる為には何が必要か。俺はこう考えている。『癒し』が必要だと。今では癒される時間すらないのだ。


 だからこそ、次の人生では誰かに癒されたい。そう思うのだった。



 ◼◼◼

 どうやら俺は、死んだらしい。


 御山英二みやまえいじ24歳、会社勤めの普通のサラリーマンだった。でも、勤め先はブラック企業で、中々辞めさせてもらえず、帰り際にとうとう倒れてしまい、その後死んでしまった。何とも短い人生だったのだが...。何故か、俺は肉体があり、意識がある。不思議な事だ。まるで、小説の中の転生みたいだ。


 周りを見渡すと、バスケットコートぐらいのフロアが広がっており、中央には一つの玉座があり、神々しい光が部屋全体を輝かせていた。


 殆んど何もないこの部屋で、10分ぐらい経ったころ、玉座の後ろから覗きこむように、こちらを見ている人が居た。目が合い、向こうは少し顔を赤らめて玉座の後ろに隠れてしまった。だが、すぐにまた覗きこみ、数十秒後玉座から出てきた。


 その人は、いや、その天使は最高に可愛かった。整った顔に、輝く金髪ツインテール、そして、青とオレンジのオッドアイ。更に、キトン(古代ギリシアの服)が発育途中の胸を引き立て、純白さがエロ可愛いを成り立っている。


 そんな心の中で解説をしていると......


「ようこそ、悲しき者、御山英二さん。私はロリ神。ここでは主に死者の心のケアをしています。よろしくお願いします」


 ロリ神って、自分がロリで神様だから、ロリ神? 随分安直だな。まぁ、それより。


「は、初めまして。えっと、ロリ神様。...その、ケアってどんな事をするんですか?」


こういうのは色々質問しとかないと、後々あれ聞いておけばよかったーとかあるしな。知らなかったじゃ済まさせなさそうだし。


「そうですね。例えば、人を甘やかしてあげるとかですね。......もっと分かりやすく言えば、セ〇〇スですね」


 俺は盛大に吹いた。まさか、こんな可愛いロリからそんな言葉が出てくるなんて。て言うかここヤバすぎだろ。


「そ、そうですか。ちなみにその..」

「安心してください。私はそんな事しません。あれは分かりやすく言っただけです」

「それを聞いて安心しました。じゃあ......これより先の場所に連れていってもらえます?」


 俺の考えが正しければ、ここは初歩的なケア。ならば、もっと先があるはず......


 ロリ神様は少し、顔をしかめたが、すぐに普通の顔に戻し、こう言った。


「......いいでしょう。御山英二さん。貴方を次の場所へ連れていってあげます。ただし、私に甘やかされてからですけどね!」


「えっ、それって......」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る