悲しい背中

Rin

第1話 悲しい背中

あの夜から、あなたは私の目の前から消えたあの日から、もう10年以上が経つ。

あなたの苦しい背中が頭から離れない。

何度もあなたを忘れようとしたのに、


ーでも、忘れられなかったー


偶然、あなたを街で見かけて、声を掛けようと思った瞬間、あなたは新しい彼女と一緒だった。


思えば、あの頃は、二人とも2つ~3つ歳が、離れていて、歳上だけでも魅力的だった。今は、もう私も24歳。彼は26歳……。


私は1年以上もずっと忘れられず、あなたの帰りを待っていたのに、あなたは私のことを

覚えていますか?


忘れたなんて言わせない……。


私は全部覚えてる。何もかも全部。


あなたは、あなたの記憶の中で、私の思い出一つ残らず消してしまったのですか?


あなたを見た時、もう私は必要ないんだと

確信した。


でも、これは恋愛でなくても、皆さんにも

経験があるでしょう。

友達・家族など、皆さんはどれだけの数の

背中を見てきましたか。

いろいろな背中を見てきたと思いますが、

恋愛をしていて、振り向いてくれない背中。

ひっしにその人を振り向かせようとする背中。

誰かと別れる時の背中。

他にも色々な人の背中を見てきた。

10年以上前に、別れたあなたの背中は、

罪悪感に満ち溢れていた。


それは、私を振ったことへの罪悪感なので

しょうか。


私はその答えを探しています。

でも、まだ……。

その答えは見つかっていませんが、

もし、彼とまたどこかで会えるとしたら、

その答えが見つかるかもしれません。

私は心のどこかで、あなたともう一度

話がしたいと思っています。


あの時、言えなかった「好き」の言葉。

あなたは私のことを、どう思っていたの

でしょう。


ただ、その答えが聞きたいだけ。

それだけ聞ければいいのです。


でもそれは、私が一方的に思っている

だけなので、あなたに迷惑が、かからない

ようにします。

っと言っても、連絡先すら知らないのに。








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