6年2組のヤバい先生

若星 明花

1限目  担任決定

 始業式。その日は、朝から快晴だった。



「えー、それでは…6年2組…担任は土田健先生…。」




小6になったばかりの私は、少し恐怖を覚えていた。

その先生は痩せ型で、背が高く、服装からして如何にも体育会系の先生という感じがした。




だからこそ、私は恐怖を覚えていたのである。何故なら、これまで会ってきた体育会系の先生では、必ず年に一度は怒鳴りながら怒るような事があったから。



ところが…



教室に入った瞬間、私は目を疑った。


生徒の人数分の机が有り、窓際には本棚…

ここまでは普通の教室である。

ただ違うのは…



教卓ではなく、私達と同じような机が二つ並べて置いてあり、傍にある棚には、山盛りのテストと、髭眼鏡やだるま落としやUNOなどのおもちゃが置いてあったのだ。


いや、山盛りのテストはまだしも…





おもちゃはダメでしょ!おもちゃは!!


私は心の中でそうつっこんでいた。




この一見普通に見えて、普通でない教室は、後にも先にも見る事は無かった。



挨拶や、自己紹介が終わった後、早速、一週間分の時間割が配られた。(小学校なので、音楽や図工以外の授業は皆担任が担当しており、時間割も担任が組んでいた。)



それを見た生徒達はまたもやびっくり。



なにせ新学期なので、初授業は当分先なのだが、時間割には日付の欄を飛び越して


「1年間よろしく!!」


と、描いてあった…



いつもにも増して、個性だらけの濃い日々が始まろうとしていた。

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