プロローグ
プロローグ
2009年5月28日 木曜日、東京都渋谷区の私立大学、
被害者は明鏡大学総合文化学部准教授の柴田雅史。死因は毒殺、柴田准教授の飲みかけのコーヒーに毒物が混入されていた。
事件の容疑者として柴田准教授の教え子の女子学生が浮上する。
その学生の名前は……
*
――5月28日。明鏡大学構内の柴田准教授の部屋の扉を彼女は開けた。広くはないが狭くもない殺風景な部屋に置かれたデスクで柴田雅史はパソコンを操作している。
「先生」
『ああ、
「少しの時間だけ。ちょっとでもいいから先生と一緒にいたいの。最近全然会えなかったからぁ」
明日香はデスクの後ろに回り込んで柴田の背中に抱き付いた。柴田の手が明日香の腕に触れる。
『ごめんごめん。学会があったり出張で忙しくてな』
この男は嘘つきだ。彼はある女のことで頭がいっぱいだった。明日香はすべて知っている。
(先生はずっとあの子を見ていた。あの子……浅丘美月だけを……)
プロローグ END
→第一章 狂恋 ‐クロユリ‐ に続く
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