第28話 傷と優越感

私が、貴方を想って


苦しんでる姿を


貴方は、悦んで


昨日までの暗い顔が


嘘の様に


自分の夢の国へと


飛び立つ


少年の様に


キラキラと光る


屈託のない瞳と


微笑みで



そして私は


安堵しながら、歓びながら


貴方の笑顔に


朝から部屋で


酒を飲んで


のた打ち回る


心臓が


止まりそうになるのを


必死で


誤魔化して


貴方の音を


聴いている


妄想とも幻想とも


付かない狂気。

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