第27話 対極の端
「明日のことは分からないから
心の侭に、僕は往くのさ」
余りにも優し過ぎる瞳と、
声と、
笑顔を持つ
その吟遊詩人は
謳う。
そして
そのもう何十年も前の
歌を
大好きで、尊いと語る
その詩人とは真逆の
屈強な踊り子の男
そして、その吟遊詩人は
心の侭に生きて
良く有る三文小説の様に
糟糠の妻と
幼い赤子を捨てて
美しい宮廷の踊子と
禁断の恋をして
結ばれた。
心で考え過ぎる男と
身体で考え過ぎる男
東へ進めば西に着くように
北へ進めば南に着くように
かくも世界は
両極端の者同士
良く似ている、いや、結局同じ、根っこなのだと。
今日も人類は
この星と共にぐるぐると
出口のない侭
誰かを愛して傷付けながら
廻っている
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