FinalSEASON

第402話【10年後】

前回から10年後。

人類は革命の日以前の生活形態を取り戻す事に成功した。

勿論、 全世界的に見ればまだ復興が進んでいない所も多い。

しかしこの国に関して言えばほぼ復興は完了したと言っても良い。

少なくともコンビニエンスストアは開いているし

家出少女が成人して結婚式を挙げる位には豊かになったと言える。


――――――――――――――


「Heyジム、 何を書いているんだ?」


若い女が椅子に座ってPC入力をしている男に尋ねる。


「マミか、 すまない、 これまでの状況を簡単にPCに書いていたんだ」


ジムと呼ばれた男は手をひらひらと見せる。


「ジャーナリスト・・・だったっけ? アンタの記事を載せてくれる会社、 有るのかねぇ」

「有るよ」

「いや、 この国には有るかもだけどアンタの祖国はまだまだ復興が終わって無いだろ?

飛行機はもう開通したけども無理して帰国する必要は・・・」

「ジャーナリストだからな、 情報を持って帰らないと行けないんだよ

俺はもう行くぜ」


ジムが立ち上がる。


「旦那によろしくな」

「あ、 旦那で思い出したけど、 皆インタビュー受けてくれるって」

「皆!? 皆って!?」


ジムが興奮気味で聞き返す。


「滝さんにクルセイダーズの元リーダーの捌さん、 癒し屋さん」

「伝説の三人に話を伺えるとは・・・」

「飛行機の予定は大丈夫?」

「問題無い、 一週間後の便で行くよ、 それでどんなスケジュールで?」

「滝さんは今日の午後にオフィスに来て欲しいって、 他の二人は何時でも良いって」

「何時でも?」

「二人共もう引退している身だし」

「そうか・・・」

「滝さん所に送ってってあげようか?

旦那が弁当忘れてったから届けなくちゃいけないから」

「頼むよ」

「じゃ車のエンジンかけて来るね」


そう言ってマミは部屋から出た。

マミは現在、 国防軍の怪人対策部隊の隊員の嫁で二児の母である。

家出少女だった頃が懐かしい、 ジムもマミの旦那の家に間借りして生活しているが

祖国に帰る準備をしている、 革命の日から10年経って

漸く世の中は平穏になり始めたのだった。

無論、 怪人の被害はまだまだ出ているがそれでもピークは越している。

寧ろ、 革命の日以前よりも怪人被害は減っていると言えるだろう。

この国に関してのみの話だがそれは事実だ。

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