第371話【革命の日から】

「そもそも僕が何故怪人を殺して回っているか以外に何か聞く事有ります?」


おから茶を飲みながら尋ねる夢宮。


「有るとも、 例えばこの街以外は如何なっているとか

我々はこの街の外から出ていないんだ」

「何故?」

「街の外では怪人の出現数が多くなっているからだよ

街だと国防軍がやってくるが街の外には手が回らないんだ」

「とりあえず、 出会った怪人は殺しまくっているので

僕が来た方角の怪人は減っていると思いますよ」

「どの位殺して来たんだ?」

「・・・・・・・・・1000は軽く超えているかと」


その数字が誇張では無い事をジムは理解した。


「なるほど・・・ではあの日、 俗に言う『革命の日』から如何過ごしていたんだ?」

「革命の日・・・あぁ怪人共が大暴れしてテレビ局とかを襲った日ですね

あの日から世界が可笑しくなって来ているのは僕も感じていました・・・」


ズッーとおから茶を飲み干す夢宮。


「あの日は・・・そう

今はクルセイダーズと呼ばれている人達と焼肉を食べに行ったんですよ」

「ちょっと待って!! いきなりだが待って!!

何でクルセイダーズと焼肉を食べに行ってるんだ!?」

「あの時はクルセイダーズの皆さんはC2号部隊に戻ろうとしていたんです」

「クルセイダーズに元C2号部隊のメンバーが多いと言う噂は本当だったのか・・・!!

そ、 それで一体如何したんだ!?」

「あの日から少しの間、 行動を共にしていたんですが・・・

僕はやはり一人の方が気楽だったんで一ヶ月位で別れたんです

その後にクルセイダーズと名乗り始めた事を風の噂で聞きました」

「へぇ・・・クルセイダーズの人達で印象に残った人は居るかい?」

「皆さん印象に残っています、 あぁ、 この人達はプロなんだなって思いました」

「そうか・・・君はこれから如何するつもりだい?」

「ガソリンの給油は出来たし、 ガソリンも手に入ったのでバイクに乗って

別の所に移動しようと思います、 怪人を殺す旅を続けるつもりです」

「そうか・・・辛い旅になるだろうな」

「覚悟の上ですよ、 何時か怪人に返り討ちになって死ぬと思いますが

それでも僕は戦い続けますよ」

「悲しいな・・・お前の人生は何処にあるんだよ」

「怪人を殺す事に」

「・・・・・」


その言葉に何も言えなくなったジムだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る