第317話【逃走】

C2号部隊隊員達を書類と見比べる公安機動部隊員。


「こいつは違うな、 こいつはリストに乗っている」

「くっ・・・」


拘束されていく隊員達。


「ねぇ、 これは何事なの!?」


兄坂が公安の機動部隊にヒステリックに尋ねる。


「C2号部隊の中に背乗りをしている者がいる」

「背乗り?」

「身分を偽っている者がいる、 しかも複数」

「何ですって!? そんな馬鹿な!!」

「何れにせよ、 一旦拘束してから」


タタタタと近寄って来る足音。


「ん、 伏せろ!!」

「!!」


兄坂は咄嗟に伏せた、 そして

ぱらら、 と機関銃の音が鳴り響いた。


「がっ!!」


眼の前の機動部隊員が倒れる。


「うわっ!!」


撃った事に驚くC2号部隊隊員達。


「大丈夫か!?」


走ってやってきたのは別のC2号部隊員。


「ちょ、 何撃ってるのよ!!」

「逃げるぞ!!」

「ああ!!」


先程、 拘束されていた隊員達を連れて何処かに行ってしまった。


「な、 何だって言うの?」

「如何した!?」


公安の機動部隊員達が機関銃の音を聞きつけてやって来た。


「今、 ウチの隊員がアンタの所の機動部隊を撃って逃げた」

「何だと、 おい、 大丈夫か!?」

「う・・・うぅ・・・」


如何やら防弾チョッキのお陰で一命は取り留めた様だった。


「まさか自動小銃を持っていたとは・・・」

「もしかして査問委員会の?」

「何だって?」

「今、 査問委員会の真っ最中だったの、 その警備をしている子達が・・・」

「おい!! さっきの自動小銃の音は何だ!!」


中目黒と左近寺が二人の隊員を引き連れてやって来た。


「隊長!! さっきウチの隊員が機動部隊を撃って逃げた」

「何だと!? ウチの隊員が!? そんな馬鹿な!!

えぇい!! 今すぐに追いかけるぞ!!」

「隊長、お気持ちは分かります、

直ぐに追いかけて行きたい所だが我々は疑われている身

追跡は貴方達機動部隊達に任せて大丈夫ですかな?」

「安心して下さい、 この基地の外は機動部隊が防弾盾を構えて360°待機している

逃げられる心配は無い」

「それなら安心ね・・・」


ほっと息を吐く兄坂。


「・・・空は如何だ?」

「え?」

「あ、 ヘリコプター!!」

「何だって!?」

「基地の上に一台だけ有るんだよ!! 今すぐに行って捕まえないと!!」


基地の屋上に向かう公安の機動部隊員達。

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