第298話【行動方針】

電話を掛ける。


「私だ」

『はっ、 何でしょうか』

「先の大統領の発言に対して如何思う?」

『恐らく78を自分達の陣営に取り込みたいと言う思惑が有ると思います』

「私の意見は違うな」

『と、 言いますと?』

「78は恐らく同盟国からの刺客、 怪人達を殺して回っているのは

我々の仲間を削りに来ているのだろう」

『そんな!! 我々の存在を同盟国は認知しているというのですか!?』

「恐らくは・・・そうで無ければ怪人を許容する発言をする訳が無い」

『いや、 それならば我が国に対して

何のアクションを起こさないのは可笑しいのでは!?』

「我々の存在は知っているが正体は知らない、 と言う事では無いのかね?」

『それならばC2号部隊と連携して我々を攻撃する等の対策を練るのでは無いでしょうか?』

「恐らく我々とC2号部隊の共倒れを期待しているのではないだろうか?」

『と、 言いますと?』

「まず我々の存在を知ったのは恐らくノギクボ襲撃の頃だろうと推測する

その時点ならばC2号部隊はC2システムを開発した後だ

ここまでは良いな?」

『はい』

「C2システムは今の所、 我が国だけの物だ

我々の戦略的優位性は限りなく高い、 如何にかして貶めたい所だろう

それならば我々とC2号部隊が争って共倒れになってくれる事を望むのでは無いだろうか」

『なるほど・・・それに対して我々は如何すれば良いでしょうか?』

「ふん、 我々とC2号部隊が共倒れになる事はあり得ないのだ

それはお前も分かっているだろう?」

『はい、 それは重々承知しています』

「ならばこれまで通り事を実行していきたい所だが

先も言った通り78は同盟国からの刺客、 如何にかして処分しなければならない

南国からの脱出を阻止する為に南国空港を攻撃したが

同盟国の刺客ならばそれも無意味だろう、 国家レベルの偽装を見破るのは至難だ

南国空港の一週間以前の利用客全ての情報の精査はする必要は無い

一応情報は受け取っておいて破棄しろ」

『それに関しては南国空港もそれ所では無いので問題無いかと』

「そうか、 南国の怪人は全滅したのか?」

『はい、 残りは先程南国に入った者達だけです』

「そうか、 ならば今回の作戦は中止とする、 78は間違い無く超人化出来る存在だ

そんな奴と戦わせる訳には行かない、 大人しくするように伝えろ」

『了解しました』

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