箸休め

第280話【兄貴が帰って来た】

「だだいま”ぁ”!!」

「兄貴?」


MidnightParkでブックフットと呼ばれていた佐奈凪 康太が自宅へ帰って来た。

弟は驚愕した。


「康太!! アンタ今まで何やってたの!!」


康太の母親も康太を叱る。


「そうだぜ兄貴・・・」

「いい”じごとがあ”ったん”だよ」

「良い仕事?」

「う”ん」


手に持っていたビニール袋に入っている封筒から札束を出す。


「!?」

「ちょ、 アンタこれ如何したの!?」

「ゆ”うえんぢでばいどぉ」

「遊園地・・・はっ!!」


弟は察した。

これは最近話題になっている闇の遊園地での闇バイトの代償では無いかと


「ごれでおやごうごうじようがなど」

「康太、 気持ちは嬉しいけどねぇ、 母さん宝くじで5000万当たったから

それはアンタが自分で使いなさい」

「うぇ!? ご、 ごぜんまん!? ずげー!!」

「兄貴が今持っている金も5000万にはとどかないけど大金じゃない?」

「それもぞーだ!!」

「はぁ・・・で兄貴、 これから如何するの?」

「とりあえずえいがいわじゅぐにい”っでえい”ごをべんぎょうしで

ぜかいいっじゅうにいごうとおもう”」

「世界一周かぁ・・・ベタだなぁ・・・」

「良いんじゃないの? 若い頃は世界一周位しないと」

「じゃあ”えいがいわじゅぐにいぐわ」

「英会話塾ねぇ・・・何処に行くつもりだ?」

「なヴぁ」

「あそこは潰れた」

「ぞうなのが・・・」

「ん―ちょっと待てよ・・」


弟が携帯端末で調べて近場の英会話塾を見つけた。


「ここなんかどうだろう『ノーバライ英会話塾』

日本に住んで三十年の外国人が講師をしているらしい」

「いいじゃない」

「ここなら大丈夫だろう、 行って来なよ」

「おーいっでぐるー!!」


そう言ってさっさ英会話塾に向かうのだった。




一方その頃、 某所

新しいアジトで頭を抱える誠也。

眼の前に英語のテキストが


「やはり分からん・・・」

「マジカヨー」

「うーん、 やっぱり英会話塾に行った方が良いんじゃない?」


薬の取引で外国の輩と交渉する必要が出て来た為

英語能力の向上が求められる様になった。

通訳を雇うのも良いが、 出来れば関わる人数は少ない方が良い。

そこで英語を学ぼうとしている誠也だったのだが

イマイチテキストを見ても分からない。


「そうだな・・・適当に地元の英会話塾に行く事にしよう」

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