第278話【祭りの後】

「畜生、 誰も返事しやがらねぇ・・・糞・・・」


そんな事を言いながらとぼとぼとMazeの外に出たああああ。


「・・・・・何だこりゃあ・・・」


夜中になっていた外では荒れ放題だった。

そこら中に死体が散乱し瓦礫だらけの

怪我人大勢の阿鼻叫喚の図が出来上がっていた。


「一体何が有ったんだ・・・」

「うぅ・・・」

「お、 おい!! 大丈夫か!?」


瓦礫の下敷きになっているショーに使われていた被害者を助け出すああああ。


「何が有った!?」

「わかんねぇ・・・でも何だか急に皆がパニックになったと思ったら大爆発でこの有様だ」

「大爆発・・・さっきの振動のアレか・・・」


Mazeの中で振動が起こったのをああああは見逃していなかった。


「だがこの状況、 一体如何すれば良いんだ?」

「とりあえず何か食いたい・・・」

「そうだな、 何か食べられる物が無いか探そう」


ああああはフードコートに向かった。

ここに来れるのは金持ちだけだからだろうか

フードコートはそれなりに充実した物ばかりだった。

フードコートの中には生き残ったショーの被害者達が武装しながら待機していた。

ショーの被害者達の方が圧倒的に多いので混乱に乗じれば制圧も可能なのだ。

事実、 フードコートの周辺には銃殺されたゲストやガイド達の死体が転がっていた。


「アンタも大変だったな、 ほれこれでも食って元気だせ」

「おう・・・」


フードコートに居た男から肉まんを貰った。

如何やらかなり有名所の肉まんらしくコンビニの物とは一線を画していた。


「旨いな・・・」

「だろう? 俺達はとりあえず一夜明かしてからここから逃げるつもりだがアンタは如何する?」

「・・・・・とりあえず食料と水を貰えないか? それを持ってさっさとここからおさらばしたい」

「さっさと逃げた連中も居るからその気持ちは分からなくは無いよ

気を付けてな」

「あぁ」


ああああは食料と水、 それから懐中電灯等のサバイバル用品を持ってMidnightParkから出て行った。

MidnightParkは電灯が付き始めてギラギラした外装を輝かせていたが

少し離れると静寂の闇が周囲を包み、 空には満月が輝いていた。

満月はMidnightParkの下品な輝きでは無い輝きで地表を照らしていた。

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