第275話【脱出】

金庫の中から書類袋を取り出す夢宮。


『さて、 じゃあこいつは外で焼却しよう』

『そうだな、 じゃあさっさと行きたいがどうやって脱出する?』

『外の大砲を無力化して来る』

『如何やって?』

『任せろ』


一時間後、 オーロラヴィジョンの前で腕を組むバク。


「バクさん、 如何します?」

「如何しますって言われてもなぁ・・・」


部下に対応を求められ困惑しているバク。

今までのMazeとは異なりすんなり宝の場所まで行けたと思ったらいきなり二人脱落。

しかも大した盛り上がりも無い。

このままでは信頼にも関わる・・・


「一体如何しろと言うんだ・・・観客もどっちらけじゃねぇか・・・

メインイベントなのにこの有様は・・・あーもう・・・次からはもっと大勢で参加」

「・・・バクさん、 あれ・・・」

「ん?」


Mazeからよろよろと顔を押さえながら誰かが出て来た。


「おーっと!! Mazeから帰還者がやって来たぁぁ!! 一体誰だァ!?」


よろよろとその男は対怪人用大砲に近付く。


「ん? おい、 何をするつもり、 だ?」


そして巨大な三葉虫に変身する。

大砲に向かって突撃して大砲を使用不能にする。


「な、 何だ!?」

「バクさん!!」

「一々指示を求めるな!! 撃て!! 撃っちまえ!!」


どごんっ!! と破壊音がする。

バクが振り向くとそこにはMazeの入口を破壊して出て来た牛の怪人が居た。

バクはマイクを投げ捨てて逃げ出した。


「バクさん!?」


ふざけるじゃねぇ大砲無しでアイツに勝てるか、 そう思いながらバクは逃げた。

幸いにも大砲はここに有るだけじゃない、 別の場所にも用意して有る。

そこまで逃げきれれば問題無い、 と思っていた。

牛の怪人から真っ先にバクは殺された。

彼がリーダー格なのは周知の事実だからである。


「バクさあああああああああああああああん!!」


部下の絶叫が響く。


『よし!! 大砲も壊したし逃げよう!!』

『いや、 確か他の場所にも大砲が有った筈だ!!

逃げている最中に後ろから撃たれたら元も子も無い!! そっちも破壊しよう!!』

『分かった!! 行くぞ!! 大砲の場所は!?』

『エントランスに飾ってある!! 早急に破壊しよう!!』

『確かに有ったな!! 急ごう!!』


巨大な三葉虫と牛の怪人が大砲の元に向かう。

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