第245話【つくし】

浦吉はアクセルを全開にしながら逃げている。


「くそ・・・」


携帯電話を片手で器用に取り出して合田に通話をする。


『はい、 もしも』

「浦吉だ!! 緊急事態だ!! さっき草みたいな奴に襲われた!!」


携帯電話を置いて運転に戻りながら大声で通話をする浦吉。


『何ですって!?』

「多分怪人だろうと思う!! 九重とか言う薬中っぽい奴と一緒だ!!

まだ山を下りてないからそっちにも行くかもしれない!!」

『そんな・・・』

「別ルートで誠也共々下山しろ!!」

『分かりました!!』


合田との通話を切って、 次は事務所に電話を掛ける浦吉。


『はい、 こちら』

「俺だ!!」

『は、 はい!! 如何しました!?』

「今誠也の所から帰っているが襲われて運転手がやられた!!」

『何ですって!?』

「襲って来た奴は九重とか言うジャンキーっぽい奴と

草みてぇな怪人だ!! 今から事務所に戻るから兵隊を集め」


そこまで言って浦吉は驚愕した、 道の真ん中に巨大なつくしが生えていた。


「くそ!! 新手だ!!」

『!? 如何しました!?』

「こんちくしょうめ!!」


浦吉はアクセルを全開にしてつくしに向かって行った。

つくしに激突する10m弱の前につくしが自動車を貫いた。


「なっ!?」


地面から巨大なつくしが生えて自動車を貫いて破壊したのだった。

浦吉の脚にもつくしが貫通したのだった。


「ぐがっ!?」


浦吉は足を押さえるが出血が止まらない。


「くそっ!!」


慌てて車の外に出る浦吉、 しかしつくしが邪魔で逃げられない。


「この・・・」


銃を構えるが銃弾が無い事を忘れていた浦吉。


「畜生め!!」


銃を投げ捨てる。

そして次々とつくしが生えて浦吉を貫くのだった。


「がっ・・・」




暫くして九重と少年がやって来た。


「・・・おい食い止めるだけにしておけと言っただろう何でこいつ殺してるんだ?」

「(何か言っている)」

「(何か言っている)」

「何言っているかわかんねぇよヘマしたかなぁチーフにも怒られるじゃねぇか俺も薬が手に入らないしああああああああああああああああ」


頭を掻きむしりながら項垂れる九重。


「(何か言っている)」

「(何か言っている)」


つくしの怪人が地面から這い出ると人間に戻り、 九重を置いて帰ろうとする。


「あ?おい置いて行くなよ」

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