第229話【セカンドハウス】

山の中を登る四人。


「結構険しいな・・・」

「あぁ・・・セカンドハウスとしても使っているから

山奥にしておいたんだ」

「セカンドハウスだったら普通マンションとかじゃないの?」

「俺はまだ子供だぜ? マンションを買うのに手続きとかが有るだろ

それに昔は一軒家を買うのが凄い事に思えてな・・・

安かったし買ったんだ」

「それでもこんな山奥に買うのは面倒じゃなかったの?」

「そうでも無い、 山奥だから色々ヤバい物を隠してあるんだ」

「ヤバい物・・・確かに合成麻薬はヤバいわね」


そう言いながらも山を登り、 屋敷に到着した時には既に夜中になっていた。

屋敷は普通の洋館と言った具合で特におかしな所は無かった。


「スゴイイエデスネー、 サッサトココニクレバヨカッタノニ

ナンデコウエンニイタノデスカ?」

「アクセスが悪いからな・・・」

「ナットクデス」


洋館の門は誰も来ていないらしく蔓で絡まっていた。

誠也は門を無理矢理開いて蔓を引き千切った。


「さてとそれじゃあとっとと中に入りますか」

「そうだね」


屋敷の玄関口を開ける誠也。

鍵は玄関口のポストの中に入っていた。

屋敷を開けると埃が舞い散った。


「げっほげほ!! うわぁ、 久々に来たから埃溜まってるなぁ!!」

「蜘蛛の巣も張ってるよ・・・如何する?」

「掃除・・・は陽が出てからで良いか、 今日は飯食って寝よう」

「布団は人数分有る?」

「あぁ、 学校の友達が寝る事も有ったしちゃんと用意してあるよ」

「フトン?」

「布団が無い国なのか?」

「イヤシッテイルケドハジメテツカウヨ」

「・・・世知辛いな」


その日は洋館に合ったレトルト食材を使って夕食にした。

見た目に文句を言っていたマーチンだったがカレーの旨さに感激したらしい。

ポナタも黙々と次々と食事を取っていた。


「カレーウメェカレーウメェ!!」

「良く食うなぁ・・・」

「御飯もパックだけどちゃんと有るしね、 この屋敷電気通ってるのね」

「通って無いよ、 発電機を回して電気を作っているから家電も使える」

「へぇ・・・因みにお酒とかって・・・」

「うーんちょっと待てよ・・・」


酒棚を見る誠也。


「あー、 如何やら前に来た時に全部飲みつくしたみたいだ」

「本当にがっかりだよ・・・」

「気を落とすなよ・・・」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る