第205話【愛の奇跡】

「まずは私の両親の事から話させて下さい」

「いや、 それ話に関係あるのか?」

「えぇ、 もちろん関係有りますとも

まず私の父親は箒星 興亜と言います、 ゲームデザイナーの父親と

専業主婦の母親を持つ高校生です」

「高校生って・・・えぇ・・・ちょっと引くわ・・・

ん? 高校生って・・・君、 歳幾つだ?」

「まだ一歳にもなってないよ」

「は? どういう事だ?」


困惑する夢宮、 黒崎に尋ねる。


「俺もコイツの身の上は初めて聞くんだ」

「・・・・・」

「話を続けるよ、 母親は日暮 葵、 こちらも高校生だったのだけども

ノギクボ製薬に身売りされる事になりました」

「ノギクボ製薬?」

「あのノギクボ?」

「そのノギクボです、 そのノギクボ製薬で怪人に改造されてしまったん」

「!?」

「な、 なんだって!? 怪人に改造だと!?」

「そしてそのノギクボに改造された怪人、 誠也と鶴瓶の二人に襲われて

私の両親は死んでしまったんだ」

「それで親がお前を生んだのは何時だ?」

「生んだ・・・とは少し違う、 私は生えたんだ」

「生えた?」

「母と父が絶命した時、 母の体が父を包んだ

そして溶け合い混ざり合い、 一つの種子が出来た

そこから芽が出て私になったんだ」

「信じられない・・・」

「愛の奇跡の成せる技だよ・・・・・私は父と母が混ざり合って出来た存在

記憶も二人の記憶を受け継いでいる、 しかし所々抜けが有った

私を殺した存在の事とか全て何となくしか覚えてなかった

昨日、 コイツがテレビに出るまでは」


癒し屋は六頭を指差した。


「この男の声は私は覚えていたのが幸いだったよ

後はテレビ局を張って、 一人になった所を各個撃破していって情報を集めた

ノギクボの怪人は二人だけだった筈だけど

増えているかもしれない、 詳しい情報をこいつから探りたい

そこで黒崎に協力して貰おうと思ってね」

「協力・・・?」

「一応医者だからな・・・人を痛めつける方法は良く知っている」

「拷問って事か」

「私の力を合わせれば死にそうになっても再生する事が出来る」

「再生?」

「そう、 私はタチアオイの怪人だ」

「タチアオイ?」

「薬草とかにもなる花だ、 だからかこいつには治癒能力が有る」

「そう言う事、 だから私に協力して欲しい

私に協力すれば、 より多くの怪人が殺せるよ?」

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