第197話【薄給】

「安いか高いかって安いでしょ」


VTRが終わった後、 開口一番にグラタンが喋る。


「月40万は安過ぎる、 薄給にも程があるよ

俺の国は貧しいが怪人ハンターなら月100万は固い」

「それは少し考え方が違うぞグラタン君」


ロームが割って入る。


「どゆコト?」

「君の月100万はほぼ毎日怪人を倒した時の場合だろ?」

「そうなるな、 俺の国は貧しいが国土が広いから国の何処かしらに怪人が出ている」

「だけど彼等は毎日怪人を倒している訳じゃない、 だからこの給料なんだ」

「でも命張ってるんだぜ? もっと貰っても良いじゃないか」

「俺は結構貰っているぞ」


滝が割って入る。


「個人でやっていれば一回の仕事で100万もザラだろうが

個人はリスクが高過ぎるだろ」

「そうそう、 個人でやっている人は結構多いけども気が知れないよ」

「そうか? 結構人付き合い苦手だからやり易いとは思うぞ」

『給料が少ない分、 装備が経費で落ちますし・・・』


獅子堂が言い訳をする。


「なるほど、 確かにシステムC2を個人で買うのは大変ですが

団体で使う分にはアリと言う事ですかね?」

「そう言う事ですね」


佐々島が口を挟む。


「我が社の製品も良く買っていられますし、 装備に関しては

最先端と言っても良いのでは無いでしょうか」


対怪人車両開発会社【LOXCK】技術部長、 手原 明がフォローする。


「対怪人車両と言うのは具体的にどの様な物を・・・」

「そうですね、 先程、 システムC2の体験の時に使った装甲車から

一般的な自動車に耐久性を付加した物など様々になりますね」

「ふむふむ・・・」

「また我が社の保険にも加入しています」


怪人被害保険会社【ゾーン保険】代表取締役、 曽山 神尾が追い打ちをかける。


「保険ですか?」

「怪人被害保険ですね、 怪人による怪我や死亡には手厚い保障が付いています

これらの保険も付いて手取り40万円は高いのでは無いでしょうか?」

「現場からの意見だが保険の世話にはなりたく無いなぁ

金は大事だが健康第一だ」


戝部が不安そうに言う。


「分からなくも無いですね

怪我無く過ごす為にもシステムC2は必要だと思います」

「なるほど、 曽山さん、 ありがとうございます」

「いえいえ」

「さて・・・と、 そろそろお昼になりますね、 では感動のフィナーレに行きましょう」

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