第163話【疑問】

夢宮が歩きながらどんどん森の中を進んでいる。

怪人達の数が凄いのだ。


『うおおおおおおおおおおおお!!』


向かって来る怪人達を次々に打ち倒す夢宮。

甲殻を剣の様に変異させて次々と斬り伏せる。

次第に怪人達も見かけなくなって来た。


『・・・・・やれやれ、 逃げやがって・・・』


夢宮が呆れた様に肩を竦める。


『おい・・・』


蜻蛉の様な怪人が夢宮の前に現れた。

夢宮は剣の様な甲殻を投げて攻撃をした。


『ま、 待て!!』


蜻蛉怪人の片腕を断ち切る、 蜻蛉怪人は腕を押さえる。


『ぐううううううううう!! 待てと言っているだろう!!』

『何でこれから殺す奴の頼みを聞かねばならない』

『それだよ!! さっきから何でお前は俺達を殺す!? 同じ怪人だろう!?』

『僕は怪人が嫌いなんだ』

『お前も怪人じゃないか!!』

『それでも嫌いな物は嫌いだ、 人間嫌いの人間も居るだろう』

『俺達がお前に何をしたんだ!!』

『何もしていない、 けど怪人は人を殺すだろう?』

『そりゃそうだろ、 こんな力有って黙っているなんて考えられないしな』

『何で人を殺す?』

『何でって・・・そりゃあ嫌な奴とか色々有るだろ』

『・・・・・』


夢宮は剣を甲殻から造り出して、 駆け出し、 怪人に斬りつけた。

しかし蜻蛉怪人は飛び立った。


『悪いが逃げさせて貰うぜ!!』

『・・・・・』


逃げる蜻蛉怪人を後目に剣をバッド状に変異させる夢宮。

そして石を拾ってノックの要領で石を蜻蛉怪人に激突させる。


『ふぎゃ!!』


落下する蜻蛉怪人。

改めて甲殻を剣に変異させて落下した蜻蛉怪人の首を刎ねる夢宮。

そして爆発。


『・・・・・』


爆発の中、 夢宮は怒りに震えていた。

怪人とはこんな奴等ばかりなのか、 話すだけ無駄だったと。


『・・・残りを見つけなければ』


歩き始める夢宮。


『?』


ふらっ、 とする夢宮。


『・・・・・そう言えば何も食べてなかったな』


何か食べる物を求めて森から出て道路に出る夢宮。


『・・・・・近場の街は・・・』


道路標識を探す夢宮、 しかし標識は見つからなかった。


『・・・無いのか、 ん?』


道路の向こう側を見る夢宮、 するとトラックが突っ込んで来た。


『おっ!?』


トラックに撥ね飛ばされまいと横っ飛びをしてトラックを回避する。


『・・・運転手は人間か、 怪人が多いし危険じゃないのか・・・追うか』

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る