第158話【新兵器】

「すみません!! 黒部テレビですが!!」


C2号部隊隊員と共に

国道115号線に向かうトラックに乗ろうとする佐々島の所にやって来る

黒部テレビクルー達。


「・・・何ですかな?」

「怪人退治に新兵器を使うとの事ですが

具体的にどの様な物か見せて頂く事は可能でしょうか!!」

「それならばご一緒にどうぞ」


トラックに手招きする佐々島。


「お邪魔します!!」


トラックに入る黒部テレビクルー達。

そして佐々島もトラックに入る。

出発するトラック。


「・・・・・・・・・・あの、 このトラック何方に向かうのですか?」


アナウンサーが不安そうに佐々島に尋ねる。


「先程自分で仰っていたじゃないですか」

「はい?」

「怪人退治に向かうのですが」

「・・・・・・・・・・え?」

「え?」

「いや・・・え?」

「何に対しての『え?』ですか?」

「いや・・・新兵器を見せて欲しいのですが・・・」

「はい、 御覧になって下さい、 撮影も許します」

「それは有難うございます・・・それで怪人退治に向かうとなると・・・

怪人と戦う訳じゃないですか、 それって我々が危険では?」

「危険でしょうね」

「でしょうねって」

「新兵器です、 と物を見せられても困るでしょう?

兵器は使ってこそ価値が分かるじゃないですか」

「そうですが、 我々に危険が有るのは困ります」

「ふむ・・・」


数珠を鳴らす佐々島。


「ではこうしましょう」


手を合わせる佐々島


「南無阿弥陀仏、 南無阿弥陀仏」

「何で御経を?」

「もし死んでしまっても極楽浄土に行けるようにと」

「いやいやいや!! 危険ならば付いて行きませんよ!!」

「おや、 新兵器が気になるのでは?」

「そうですが、 しかし!!」

「そもそも新兵器の事を誰に聞いたのですか?」

「ノギクボの六頭さんです」

「彼が?」


トラックが止まる。


「如何しました?」


佐々島が運転手に問う。


「怪人を視認しました、 数5、 7、 12」

「ひっ!?」

「ふむ、 貴方達はラッキーですね

新兵器の御披露目をニュースに出来るのですから」

「そ、 そんな事・・・」

「私と二人、 来い」


佐々島と二人のC2号部隊員達が立ち上がる。

そして腰に付けた機械のベルトを作動させる。


「・・・・・」


ベルトに着いたキーを入力する、 ベルトから『safety OUT』と機械音声が流れる。


「起動!!」

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