第110話【異常事態】

「所で何でお前基地の外でランニングしてたんだ?」


当然の疑問を口にする滝。


「今、 お昼休憩中なのよ~」

「はぁ・・・それで?」

「お昼ちょっと暇でね~、 それでランニングしてたのよ」

「・・・基地の敷地でやれば良くないか?」

「他の隊員は訓練休みなのに教官だけ走っているのは可笑しいじゃない?

気を使わせない様に基地の外で走っているのよ」

「・・・気遣いが出来るんだな、 心底意外だ」

「酷くない!?」

「だけど暇だからランニングって何かやらないのか? ゲームとか」

「アーケードとか?」

「いや、 携帯ゲームとか」

「ゲーボーとか?」

「そんな略し方初めて聞いたし古いわ、今は二画面の時代だぞ」

「・・・二画面こそ古くないかしら?」

「そっちじゃないぞ、 言っておくが」

「あらあら・・・・・ん?」


兄坂が立ち止まる。


「如何した?」

「いや入口の所・・・」


別の入口にやって来た二人だが以上に気が付いた。

大型のダンプが入口を通せんぼしているのだ。


「如何したんだ?」

「何かしらこれ・・・邪魔ねぇ・・・」

「・・・・・何か匂わないか?」


言われてみれば獣臭がする。


「・・・・・」


股間に隠した銃を取り出す兄坂。


「ゴム弾じゃ駄目だろう、 ほれ」


銃のマガジンを渡す滝。


「何処のメーカー?」

「SSLの対怪人用の銃弾、 そっちの銃と型は合うか?」

「ばっちり」

「基地内と連絡は取れるか?」

「無理ね、 私携帯持ってないし」

「このご時世にそんな奴居るのか、 じゃあこの間どうやってかけて来た」

「公衆電話」

「このご時世にまだ有ったのか」


そんな事を言いながらジリジリとダンプカーに近付く二人。

滝も拳銃を取り出して構える。


「入口に守衛は居ないのか?」

「居る筈・・・なのに何も言って来ないとなると・・・」

「既にやられたか・・・」


ダンプカーのドアが開いた。


「ゆっくりと降りて来なさい!!」

「・・・・・」


ドアに向かって銃を構える兄坂。

何も起こらなかった。


「・・・・・」

「・・・・・」


バンッ!!と、 ダンプカーの荷台の扉が勢い良く開いた。


「「!?」」


そちらに向かって銃を構える二人、 そして・・・


『『『『『GIAYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY』』』』』

「なっ!?」

「ば、 馬鹿なっ!?」

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