第46話【ファンクラブのオフ会】

禍蜻蛉ファンクラブのオフ会は

とあるホテルのパーティ会場を貸し切って行われた。

松柳の事務所が主催で行われ所属アイドルが駆り出され

ジップロックの読み通り、普段ファンクラブのチャットルームに来ていない

ファンクラブメンバーも来ており賑わいを見せていた。


「凄い人の数だな・・・」


夢宮は1人呟いた、ここから情報を抜き取るのは難しいかもしれない。

難しいかもしれないがとりあえず情報収集をしなければ何も始まらないと

参加者に話しかける、とは言え見ず知らずの人と喋るのは困難だ、すると。


「おーいドリーマー君!!」


顆粒が手を振りながら夢宮の元に来る。


「顆粒さん」

「君も来たのか

今日のオフ会は何時もに増して気合い入っているから楽しんで行きなよ」

「えぇ・・・」

「顆粒さーん、こんばんはー」


ぽわぽわした感じの女性ファンが顆粒に話しかけて来る。


「よ、あきんど、あ、この子は最近ファンクラブに入ったドリーマー

ドリーマー、この娘は最近SSを書き始めたあきんど」

「どーもー、あきんどでーす、よろしくー」

「よろしくお願いします」

「固い子ですねー、ちょっとお話しません?

最近ファンクラブで女性目当ての男性が多くてー」

「そ、そうなんですか」

「じゃあ、俺はもう行くから」


顆粒が手を振りながら去っていく。


「あ、行っちゃった・・・」

「顆粒さんは見た目チャラい感じですけど結構気遣いが出来る人なんですよー

きっと新人で話の輪に入っていけない貴方を気遣ってくれたんですねー」

「そうなんですか・・・」


ありがたいと内心ガッツポーズをする夢宮。


「所でドリーマー君って禍蜻蛉さんの最近の作品で何が好き?」

「最近の?僕は昔の作品の方が好きですね」

「私は逆かな、キャラクターの掛け合いとかが面白くて読んでたけど

初期は難しくてねー良く分からなかったよー」

「そうなんですか・・・」

「私はキャラクターとかが好きでねー

皆は顔をしかめるけど私はそういうのが好きなんだー」

「そうなんですか・・・僕は推理とかミステリーとかが気になりますね

最近のファンクラブ内の事故とか事件とかも気になります」

「うーん私ROMり気味だしなぁ、詳しそうな人の所に行ってみる?」

「是非とも行きたいですね」

「じゃあレッツ、ごー」


あきんどに手を引かれる夢宮。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る