第47話【マツ】

あきんどに手を引かれる夢宮、連れられた先には中年男性が居た。


「マツさーん」

「あきんどちゃんか、その子は?」

「新人のドリーマーさん、ドリーマーさん、この人は元刑事のマツさん」

「元刑事!?」

「うん、ちょっと病気で辞めたけどね・・・それで何?」

「最近ファンクラブで起きた事件事故に興味有るんだって」

「お、分かるか!?俺も気になって個人的に調べてたんだよー

それなのにファンクラブの連中が誰も調べようとしないから

もう腹立たしくてしょうがなかった」

「腹立たしい?」

「そうなんだよ!!謎が有れば知りたくなるだろ!?

だからミステリーファンをやってるんだよ!!」

「ま、まぁ何となくわかりますよ」

「うーんそうですかねぇ・・・」

「最近の禍蜻蛉作品好きの異端は黙ってろ

創作ならもっと深いミステリーを用意して欲しい所だよ

最近のは推理は酷いぞ、双子トリックは反則手だろうに」

「面白いと思いますがー・・・」


あきんどとマツが互いに言い合いを繰り広げる。


「話を戻して事件や事故と言うのは・・・」

「うん、最近の事件事故だな、俺の調査によると一連の事件は

唯の偶然にしては出来過ぎている感じだが正直誰かの犯行とは思い難い」

「それは如何いう事ですか?」

「まずファンクラブの中で事件事故になったのは7人

この7人の中での死者は3人、まずはアスタリスク

この人は禍蜻蛉先生の初代編集で

ファンクラブにも入っていた根っからの禍蜻蛉オタク

俺とも良く話が合った、最近の禍蜻蛉先生の変質が気に喰わなくて

禍蜻蛉先生と口論していたらしい、この人は遺書も書かずに飛び降り自殺をした」

「事故じゃなくて?」

「自宅のアパートから飛び降りたそうだ

高いフェンスが有ったから事故では無いらしい

次に怪人に殺されたトゥルース、強盗殺人に巻き込まれたキャッスル

この二人は新聞記事にも載ったらしいぞ」

「なるほど・・・詳しい情報は無いんですか?」

「ドリーマー君ぐんぐん来るね君、詳しい情報はウチに纏めてあるから

後でDMを送るからそれで話そう、アカウント教えてくれ」

「はい」


マツと夢宮はSNSのアカウント情報を交換した。


「よし、じゃあその他の事件だが、色々有る、車がパンクしたりとか車上荒らし

物が頭上に落ちて来たりとか窓を割られて居たりがとかされている」

「ふむふむ・・・」


会場が突然暗くなる。


「何だ?」

「皆さん此方に注目して下さい!!」


ファンクラブ会長誰眼鏡が声を挙げ始めた。

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