第20話【十根川 明美の証言】
取り調べ室で一人の女学生と警官が向き合っていた
「えぇっとじゃあこれから事情聴取をしたいんだけどまず名前は?」
「えっと私は十根川 明美って言います女子高生です」
「ありがとう、じゃあさっき起こった事について話して貰って良いかな?」
「その日も学校行く前に電車の中で化粧をしていたんです
何か騒がしいなって思ったてふと顔を上げると
前を駆けている何人かの人々が居たんです
騒ぎながら走っていて迷惑だなって思っていたんですが
何かに追われているみたいで
何だろうと思って見ていると後ろの車両から怪人が出て来たんです
体中血塗れの針だらけのハリネズミ?赤い眼がギラギラしていたのを覚えています
そんな奴がやって来て、私もコンパクトを放り出して逃げ始めたんです
押し合いへし合いで後ろから迫って来て私ももう駄目かと思いました
そんな中で誰かが言ったんです
『緊急停止ボタンを押せ!!』
そして誰かが押して電車が止まったんです
止まった電車のドアから乗っていた人達が次々逃げ出せたんです
でも私は怪人を直接、結構近くで見て腰が抜けてしまって逃げ出せないと
思って隠れる事にしたんです、電車の下に
えぇ自分が馬鹿やっているなと言うのは分かります
でも本当に怖かったんです・・・・・
すみません、それで怪人が最後に降りて来たんです
ここからですよね貴方達が聞きたいのは
私は電車の下から様子を伺っていたんですが
そこにもう一体の怪人が現れたんです
いえハリネズミとは違います、体中が殻で覆われて、虫みたいな甲殻?
って言うんでしょうかそんな怪人です
赤い眼をしていて、それでハリネズミの怪人に何かを言ったんです
私の耳には鳴き声にしか聞こえませんでしたがハリネズミも何か言い返して
きっと怪人の言葉か何かでしょうね・・・
それで甲殻の怪人の方が怒った様にハリネズミの怪人に殴りかかったんです
それから先は怖くて頭を抱えていたので分かりません・・・
それから暫くして銃声が聞こえて、気が付けば貴方達に保護されていました」
「分かった、ありがとう」
「あの・・・もう行っても良いですか?もう学校遅刻しているんですが・・・」
「今日は休んだ方が良いんじゃないのか?こんな事件が有った後だから」
「・・・そうですね、ありがとうございます」
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