蛇
【夢を見ました】
大きな赤い蛇が、ビルの間を縫うように宙を泳いでいった。
『名古屋』という文字が見えたような気がした。
ホテルの大広間で披露宴があるので夫と出席している。夫は同席の客が気に入らないらしく、不機嫌である。
『すみれの蒸し物』という料理が出された。豆腐でできたような被せ物を取ると。すみれが野にあるままの姿で現れ、花、茎、葉、根がすべて切られることなくつながっている。
部屋で、三日月が沈まないうちに、と思ってシャワーを浴びた。
軽くなった長い髪を揺らしていると、呼び出しのアナウンスで、病院に来るように言われた。
病院で、緑の芝生の上を歩いていると、白衣の女性が丸い水槽の中にたくさんのビーズを入れて運んでいる。あとから来た人は、キルティングの布をハサミで長く切り、風で宙に泳がせながらぬいぐるみに仕立てていく。
私は水中に沈んでいる大小のビーズをつなぎ、パーツに組み立てる。
緑の芝生の上で、太陽に照らされたビーズがキラキラ光る。
こんなに良い天気の日は、娘と散歩でもしたいな、と思っていると、娘が通っている幼稚園の芝生の上に座っていた。
幼稚園の部屋の戸は全部開いている。照明がついてないので外から見ると部屋の中が真っ暗に見える。
近づいてよく見ると、部屋の中に娘が一人で座っていた。他の子達はすでに帰ってしまったようだ。
幼稚園の先生たちが私に気づき、子供を早く連れて帰れと言わんばかりに、バタバタと片付け始めた。娘はちょっと泣いたような顔をしていた。
夫が台所で大きな花火をいくつも束ねて、時限発火式に仕掛けた。打ち上げ式のようだ。あわててスイッチを切ってほしいと頼んだが、もう遅いと言った。
夫はあくまでも、私と娘を楽しませようとしているのだ。
換気扇のスイッチを入れると、花火はポーンと天井を突き破って空中で爆発した。
穴の空いた天井から見える空は青く澄み切っていた。
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