Nocturne of Blaze ――或る少女の唄――


 暗い暗い闇の中 月は冷たく泣いている

 引きちぎられた黒い翼はほむらの届かぬ場所を探して

 深い深い水の中 銀の揺籠が揺れていた


 闇の中静かにほのおを映す水鏡

 永久とわに何をも通さない 何にも染まることのない

 遙かに澄んだその水底に君を隠していたいだけ

 沈黙の夜は叶わぬ希みを呑んで

 銀の揺籃 月は冷たく泣いていた



 暗い暗い闇の中 風は言葉を忘れてる

 焔に煽られ進む翼が行き着く先も昏いのと

 遠い遠い空の上 銀の光が笑ってた



 黒い翼が燃え尽きようと 澄んだ世界を探すから

 全てを呑み込む焔から 君を隠しておける世界を

 灰になって消え去る前に せめて翼を贈らせて

 全てを呑み込む焔から 君が高く逃れるために



 暗い暗い闇の中 月は冷たく泣いている

 焔に煽られ進む翼が灰と灼かれて消えたなら

 深い深い水の中 どうか叶わぬのぞみを聞いて



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