第127話高2…変わらない?

三人は朝食を食べながら、晴斗は麻莉菜と話し合っていた。

「学校で晴兄は抱き付いたり、私に絡まないでよ。」

「絡んで欲しいってことだな。」

「学校で絡んで来ないで、絶対声かけないでよ。」

「別に話し掛けないから、麻莉菜も俺に絡むなよ。」

「約束だからね。」

「あぁ、分かった…先に学校に行って。」

「分かってるよ。」


皆食べ終わると、麻莉菜は早めに学校に向かった、残された晴斗はソファーに座り、凜を膝に座らせ、キスしながら太ももを触っていた。

「麻莉菜が来てから家で二人きりになれないなぁ。」

「……晴くん、触りすぎだよ。」

「触ったらダメだったのか。」

「今二人だから…晴くんならいいよ。」


晴斗は腰に手を回すと、お互い抱き締めていた。

「やっぱり抱き締めると落ち着く。」

「私も安心する、やっと二人になれた。」

「麻莉菜に早く友達出来ないかな、泊まりに行かせたい。」

「晴くんは学校で麻莉菜に声掛けないの。」

「声かけられるまで待つよ。」


二人は話ながらイチャつき、時間を確認して家を出て学校に向かって歩いていた。晴斗は学校に近づくにつれ、生徒が増えてくると聞いていた。

「久しぶりに見られてるけど…手繋げないよね。」

「…やっぱり恥ずかしい。」

「愛想尽かすなぁ。」

「…そんなこと‥言わないで。」

「冗談だよ、ただ俺の気持ちも変わるかもなぁっていう、ジョークだから。」

「…半分本気で言ったでしょ。」

「どうだろうなぁ…危ないから顔あげて歩いてね。」

「ごめんね。」


凜は顔をあげてニコッと笑みを向けられ、晴斗は抱き締めたい気持ちを押さえ込んでいた。話ながら学校に着くと凜を見てる男子生徒が居たが、二人は気にせず自分のクラスを探していた。

…後ろの男子達、月城さんと同じクラスだったって聞こえてるぞ。

「俺の名前がない。」

「晴くん、ちゃんと飯島で探してる。」

「…あぁ、月城で探してたな。」

「もう‥私と同じクラスだよ。」

「凜と一緒で良かった。」

「私も晴くんと一緒で良かったぁ。」


歩きながら、凜に横腹を突っつかれ「晴くん‥お間抜けさん」と言われ、凜の尻を軽く叩くと走って教室に向かった、先に教室に着くと凜と席が離れていた。

「晴くん何で触って逃げたの。」

「うーん‥お間抜けさんだからだな。」

「理由になってない。」

「触りたかった‥理由になったよね…そんなことより凜の席が遠いぞ。」

「もう知らない。」


自分の周りの席は知らない人で、晴斗は机で突っ伏していた。

…はぁ、話す相手が居ない、ジュース買いに行こっと。


晴斗は自動販売機で凜のお茶も買って飲みながら教室に戻ると、凜の周りに凜の友達が集まっていた。

…凜は人気だな、俺とは正反対だなんだけど、羨ましいと思わないんだよなぁ。


凜にお茶を渡すと笑みを向けられ、晴斗はまた自分の机で突っ伏していた、チャイムがなると、担任が入って来て挨拶され、授業が始まった。

…委員会もないし、島野先生が担任で変わってないのか、恵も良太も同じクラスだな…林道も居たのか。



気付くと…午前中の授業は終わっていた。


凜から弁当を受け取り姿を消そうとしていた。

「晴くん一緒に食べよ。」

「いいよ、どこで食べる。」

「中庭で食べよ。」

「恵と良太はどうする、林道も来るか。」


凜の友達も連れ、晴斗の友達も連れ、中庭で弁当箱を広げて食べようとしていた。

「あぁ、学校で唯一の楽しみが来たなぁ。」

「飯島は弁当が楽しみなのか。」

「林道にはわかんねぇよ、凜の作った愛妻弁当を食べる俺の気持ちなんてな。」

「愛妻って結婚してないだろ、てか家で月城さんが作ってるんじゃないのか。」

「毎日凜が作ってるよ。」

「家でも食べてるのに、学校の楽しみが弁当なのか。」

「当たり前だろ、学校の友達は林道と今井と良太と恵だけで、話す人も屋上の人しか居ないし、まぁ俺は絡まれる体質らしい。」


何故か友達と凜の友達も苦笑いしていた。

「飯島くんは、私の名前覚えてる。」


凜の友達に聞かれ、晴斗はわざと困った表情をしていた。

「ごめん、友達と先生以外の人は、覚えないことにしてるんだ。」

「晴くんふざけてるでしょ。」


凜に睨まれて怒られると答えていた。

「バレたか、大島美月さんだよね、覚えてるよ。」

「凜ちゃんの言ってたとおり、ふざけるのが好きなんだね。」

「俺はふざけるより、凜が大好きなんだよ。」

「…晴くんふざけないで。」


凜を見て教えると、頬を染めて少し怒りながらお弁当を食べていた、皆もため息をついて弁当を食べていた。

「一年の頃から晴斗は月城さんをからかって遊ぶのが好きなんだ、林道も慣れろよ。」

「な、慣れるかな…聞いてるこっちが恥ずかしいなぁ。」


林道と良太は二人で話してたが無視していた。

「一年は教室で食べてんのかな、中庭に数人しか見えないし…麻莉菜は一人で食べてんのかな、寂しがってるかなぁ。」

「…一人かも、やっぱり晴くんも心配してるんだね。」

「まぁね、声かけれないし…気にするだけ無駄かな。」


7人で話ながら弁当を食べ終わると、凜と二人でお茶を買いに自動販売機に来ていた。

…ふぅ、抹茶は旨いなぁ。


人前で晴斗は凜の背後から抱き締めると「右の一年の教室から男子が、ずっと凜見てるけど知り合いか」と小声で聞きながら歩いていたが、凜は顎に手を当て、少し相手を見て考えていた。

「確か…同じ中学校に通ってた後輩だよ。」

「入学式も今日の朝も凜を見てたから、嫉妬して抱き付いたんだ。」

「冗談いいから、離してね。」

「何で怒らないの、ちょっとショック。」

「…少し‥慣れようとしてるの。」

「慣れなくていい、やっぱり凜と歩くと絡まれないな。」

「ケンカしないでよ…出来れば友達と歩いてね。」

「迷惑掛けるから、一人がいいんだ。」


解放して、皆の前で凜の髪を耳に掛け、顔を覗くと耳まで真っ赤になっていた、二人は教室に戻りながら話してたが、階段に来ると誰もいなかった。

「抱き締めてごめんね…新入生が凜を見てたからね、見せつけたかった。」

「…晴くん、毎日人前で恥ずかしがって‥ごめんなさい。」

「気にしてないよ、嫌がるの知ってて抱き締めてるんだ…最近恥ずかしがる表情見るのが好きなんだ。」


凜に横腹を突っつかれ、耳かしてと言われ、耳を近付けると「晴くんのエッチ」と囁かれた。


階段を上がっていると、誰の姿も見えないと分かり、晴斗はキスしていた。

「誰も居ない、人前でしないよ。」

「晴くんだけずるい。」


屈むとキスされて教室に戻っていた。チャイムが鳴り五時間目の授業が始まった。真面目に二時間授業を受けると放課後を迎えた。


掃除が終わると、新入生が部活の見学をするため、上級生は急いで部室に向かっていた。

「凜帰ろうか。」

「…麻莉菜は部活するのかな。」

「あぁ‥麻莉菜入部させよ。」 


凜と話してると、恵に背後から声をかけられた。

「二人とも、従妹の所行くなら一緒に行こ。」

「従妹から学校で声かけるなって怒られたんだ。」

「…晴くんがからかうからだよ…麻莉菜迎えに行こ。」

「妹に部活見学させるんだけど、二人も行こ。」


三人で一年生の教室に向かった。


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