第101話一緒にお風呂

赤信号で止まって夜空を見ながら、青信号に変わると凜の待つ我が家にバイクを走らせていた。


事故をすることもなく、車も少なく、直ぐに家に着いていた。そっと家のドアの鍵を開けるとリビングの電気が点いていた。覗くとテーブルに肘を付いて寂しそうな後ろ姿が見えた。


そっと近付き、両手で目を隠して「だぁーれだ」と楽しそうに言うと、凜はビックリして、キャッと可愛い声を出していた。

「凜ただいま。」

「…晴くんお帰りなさい。」


凜に抱きつかれ、晴斗が体勢を崩して後ろに倒れると、キスされていた。

「シュークリーム買ってきたよ。」

「…一緒に‥食べよ。」

「制服脱いでくるね。」


寝室で脱ぐと、リビング戻って、膝に座らせ食べる姿をジーっと見ていた。

「…晴くん…口開けて。」

「また食べ掛けかよ。」

「またって何。」

「麻莉菜も食べ掛けを渡してきてさ、食べたんだけどね。」

「何とも思わなかったの。」

「思わないよ。」

「…妹が出来て、晴くん嬉しいんだね。」

「そうだよ、凜がいなくて寂しかった。」

「私も‥だよ。」


急にキスされ、晴斗の頬にクリームが付くと……吸われていた。

「吸われると気持ち悪いんだよ。」

「…不公平だよ‥吸ってマーク付けるでしょ。」

「舐めたら良いじゃん。」

「噛むでしょ。」

「よ、よく分かったね。」


変な会話をして、凜は食べ終わり抱き付くと、晴斗の首を吸っていた。

「…跡付いちゃった。」

「でしょうね‥まぁいいよ。」

「…お風呂入れてるよ‥一人で怖かったから…一緒に。」


一緒に入ろうと誘われ、晴斗は嬉しそうに返事をしていた。

「いいよ‥その前にさぁ。」


抱き抱え、キスをしながら寝室に向かうと、凜をベッドに寝かせ……


ベッドでイチャつくと、晴斗は凜と服を持って…お風呂に向かった。

「…やっぱり恥ずかしいよ。」

「さっき見たし、抱き締めて。」

「…やだよ。」


晴斗は楽しそうに笑いながら、背中を洗ってもらい、凜は恥ずかしそうに鏡に映る自分を見て「えっ」と何度も声を出していた。

「晴くんのバカ、何でマーク付けたの。」

「…可愛い顔見てたら我慢できなかった‥ごめん…鎖骨だから見えないよ。」

「…そっか‥いいよ。」

「凜も首に付けたよね。」

「ごめんね。」

「いいよ、学校で見せつけるから。」


凜は立ち上がると、晴斗の頬を叩いていた。

「…何で口より先に手が出るの‥本当に嫌いになりそう。」


消え入りそうな、悲しそうな声で言うと、謝られ、晴斗は落ち着きたいと言うと、凜は膝の上に座って一緒に浸かっていた。

「顔が見えないと今は落ち着かない、こっち向いて、今日は寂しかった。」

「目閉じて‥開けないでよ。」


うんと言うと、凜は直ぐに座り直していた。

「…目開けていいよ…今はイタズラしないでね。」 


しないよと言って晴斗は落ち込んだ姿を急に見せた。

「…本当に口より先に手を出さないでね‥少し嫌いになった。」

「ごめんなさい‥何したら許してくれるの。」

「教室でキスしてくれたら‥許す。」


にやけそうな唇を噛んで、笑わないようにしていたが、凜にはバレていた。

「笑ってるよ‥今も色々恥ずかしいのに…嫌だよ。」

「恥ずかしそうにされると‥可愛い…抱き締め返してもいいかな。」

「…うん‥私も寂しかったよ。」


恥ずかしそうにされ、晴斗はキスをしていたが、30分も浸かるとのぼせそうになっていた。

「あぁ、もう無理…倒れそう。」


凜を退けて先に上がると、ボーッと突っ立っていた。

「…晴くん拭かないと風邪引くよ。」

「あぁ、タオル取って。」


自分で体を拭くと、凜に頭を乾かしてもらっていた。

「…私の髪乾かして。」


ドライヤーを受け取り、乾かしていた。

「ボブで可愛いし、俺より短いな。」

「晴くんの髪‥長すぎるんだよ。」

「ダサいか。」

「…格好いいよ‥不良って感じがするけとね。」

「ちっ。」

「ちっじゃなくて…ちゅって言って。」


楽しそうに言われ、手を引かれ寝室に向かった。

「寝る前に飲んでくる。」


凜に言ってベッドから出ると、服を引っ張られ手を広げていた。

「…抱っこ。」

「すぐ戻ってくるよ。」


嫌と何度も甘えられ、抱っこするとリビングに向かった。 何度もキスされ首を甘噛みされるが、昼間、離れてた晴斗には嬉しかった。

「噛んでも怒らないの。」

「今日は寂しかったからね‥嬉しいんだよね。」


よしよしと言って晴斗は頭を撫でられていた。お茶を入れて飲んでいると「飲ませて」と甘えられ飲ませていた。

「凜が溢さず飲めたね、いい子。」

「……」


口を尖らせ怒ってたが、頬を染め目を閉じて待っていた、そっとキスして寝室に向かった。時間を確認すると22時になっていた。

「…もう寝よ。」

「仕方ない。」


電気を消して、抱き締めて、おやすみのキスをされると、直ぐに凜は寝ていた。

…眠かったんだな。


凜の髪を耳に掛け、寝顔を見て眠りについた。

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