第95話早退は突然…
学校に行く前に、膝に据わられてイチャイチャしていた。
「…甘えていいよ。」
「今は甘えたい気分じゃない。」
凜にジーっと見つめられ、頭を擦ると、違うと甘えた声で怒られていた。
「…甘やかしたいのに‥今日は私が甘えるね。」
「凜なら、毎日でもいいよ。」
いいよと言うと、首を噛まれていた。
「噛むなよ。」
「…噛んでも良いって‥‥言ったのに‥嘘だったの。」
「地味に痛いから、たまになら良いよ。」
凜は嬉しそうに甘噛みすると、急に力を入れて噛まれ、晴斗は痛いと叫んでいた。
「…我慢出来なかった‥ごめんね。」
「凜に何されても怒らないからなぁ。」
「…怒ってるよ。」
「教室でキスしてくれたら許す。」
「…私‥泣いちゃうよ。」
「半分冗談だから、今して。」
キスされると学校に向かった。 教室に着くと、凜は友達と飲み物を買いに教室を出ていった、戻って来ると片手に抹茶を持っていた。
「一ヵ所でいいから入れてって言ったからじゃない。」
「あぁ、何度も言ったね、あの人好い人なんだ…凜に開けてほしい。」
「…今日だけだよ。」
小声で言われて、開けてもらうと飲んでいた。
「次は、少し大きめ頼もうかな。」
「困らせたらダメだよ。」
「言わないよ、飲みすぎたら怒られるからね。」
数時間後…晴斗は四時間目の授業中、何度もスマホのバイブが振動して、誰からの着信か見ていた。
…麻莉菜か、学校休んでんのかな。
授業が終わると、机に伏せて電話していた。
「授業中で出れなかった、ごめんね。」
「いいよ、私ね‥もう学校終わった。」
「そうか、良かったね、またね。」
麻莉菜との電話を切ろうとすると止められていた。
「…ピアス没収されたから、来て。」
「美香さんに頼んでね、俺まだ授業がある。」
「晴兄が付けて行ってって…没収されたら‥来るって言ったのに‥嘘つき。」
頭を抱えて電話をしていると、凜に誰からの電話か聞かれ、晴斗は1日彼女からの電話と答えていた。
「…麻莉菜って言ってよ。」
「ごめんね、電話中だから。」
凜から離れて、廊下で電話をしていた。
「嘘つきじゃないです、今から行きますよ、子供は待っててくださいね。」
「子供じゃない。」
「直ぐに怒る麻莉菜は子供です…ところで、どこで待っとく。」
「…学校で待ってるから、バイバイ。」
恥ずかしそうに聞こえたが、晴斗は触れなかった。
「まって、親じゃなくても返してくれんの。」
「お母さんは風邪引いてるって言ったら、晴兄でもいいって。」
「俺で良いってなに、まぁ‥知らない人に付いていったらダメですよぉ。」
「バカにしてるでしょ。」
「ご飯食べてから行くからね、バイバイ。」
直ぐに電話を切って、教室で友達とご飯を食べている凜を、抱き締めに向かったが、触らないでと怒られ、わざと落ち込んでいた。
「早退する、触らないでって言われて‥気分が悪くなった、バイバイ。」
教室を出ると、凜に手を握られ申し訳なさそうに「ごめんね」と謝られていた。
「本当は麻莉菜がピアス没収されて…来ないと嘘つきって言われたら‥行かないとね‥‥何で付けて行けって言ったんだろ。」
「…麻莉菜に言われたなら‥怒れない‥私何も言えないよ。」
名前を聞くだけで悲しそうな表情をする凜を、晴斗は屋上に行って二人で食べようと誘い、凜の友達に謝って、二人は屋上の物陰に隠れて食べていた。
「他の人に見えないから、食べさせてあげるよ。」
「…もう少し残してたら‥よかった。」
凜は寂しそうに弁当箱の中身を見て渡されると、あーんと何度も言って食べさせていた。食べ終わると、悲しそうな表情をする凜に、自分の弁当箱を見せていた。
「俺の食べよ、お腹空いてるんじゃなくて、甘えたいんだよね。」
「…うん。」
膝を叩くが、他の人が屋上にいるため、座ってこなかった。
「今まで見に来た人いないよね、膝に座ってね。」
「…いなかったけど、見られたらどうするの。」
「俺みたいな人と、食べてる姿見られると嫌だよね。」
目を閉じてふざけて言うと、凜にバレていた。
「…ずっと隣で顔見てたから、ふさけてるって分かるんだよ。」
「座ってほしかったな。」
隣で食べさせてもらうと、直ぐに食べ終わっていた。
「…本当に早退するの‥帰ってくるよね。」
「帰ってくるよ。」
「…他の女に会いに行くんだね。」
「身内のために‥真面目な僕が早退するんだよ。」
「…晴くんは、僕って言うほど‥真面目じゃない。」
寂しそうにギュット手を握られ、片方の手で、俯いている顔を上げ、静かに除き混んでいた。
「……行かないで。」
「俺だって行きたくない、明日は休み、家で邪魔されずに二人っきりだからね。」
「…うん、気をつけて行ってね。」
職員室に行くと、晴斗は気分が悪そうに振る舞い、保健室を勧められるが断って早退させてもらうことになると、教室に来ていた。
「晴斗は早退するのか。」
「あぁ、今からデートだからさ、良太も恵もまた今度な。」
冗談を言いつつ鞄を持って、下駄箱で靴を履き替えていると、凜に後ろから抱きしめられていた。
「今二人っきりだからね…デートって思ってるんだね。」
「デートって言えば、今まで凜をからかってるって思われたんじゃない、その方が都合が良いよね。」
「…うん、明日は私だけ‥見て。」
「毎日凜だけ見てるからな。」
そっとキスをして、学校を後にした。
…制服で行こっかな。
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