第66話免許を取らせる

土曜日…朝6時にスマホのアラームが鳴り、洗濯物を干して、寝ていた凜を7時に起こしていた。

「起きて、パンでも食べて出掛けるぞ。」

「…わかった‥起きるね。」


凜が起きると、顔を洗わせ、晴斗はパン焼いていた。

「…土曜日だよ、眠たい。」

「昼には、終わるからね。」


あくびをしながら、目を閉じて食べていた。

「…早いけど、どこまで行くの。」

「近くだからね。」


朝食を食べ終わり、凜にジーパンを履くように伝え、晴斗は楽しそうに玄関で待っていた。


バイクに乗ると、直ぐに自動車学校に向かい、到着すると、凜は小首を傾げていた。

「晴くん‥免許取るの。」

「凜が取るんだよ。」

「…えっ。」

「一緒に中まで入るから、何も心配しなくていい。」


凜の手を引いて中まで入ると、受付に連れていき、名前を言わせて、時間が来るまで待っていた。

「…予約してるって聞いてないよ、勝手なことしないでね。」

「サプライズだからね、乗れば楽しいよ。」


ブレスレットのお礼と言うと、桁が違うと怒っていた。

「私が乗れると思ってるの。」

「思ってる、嬉しいかな。」

「嬉しくない、戸惑ってる。」

「マジで両親には内緒だからな。」

「…また、二人の秘密が増えるね。」


晴斗が笑っていると、新しく入校する人が増えて、受付に呼ばれ、書類を提出などすると、2階に消えて行った。


ロビーで、一時間待って、凜は降りてきたが、大学生程の男性に声を掛けられていた、晴斗は困った顔を見て話しに割り込んだ。

「終わったな、次は先生選んで実技教習行ってね。」

「わかった。」


二人が楽しそうに話をしている姿を見て、男性は舌打ちして、立ち去って行った。


女性の先生を選んでいたが忙しく、晴斗は男性で良いと教えていた。

「…ドキドキするよ。」

「頑張れよ。」

「頑張るから、見てね。」

「心配ない、見とくよ。」

「他の人にも教えるみたい、頑張らなくちゃ。」

「笑ってると‥ケガするぞ。」

「わかったよ、行ってくる。」


楽しそうに晴斗に手を振って、先生に付いていった。


プロテクターを着けて、ストレッチを恥ずかしそうにしている姿を見て笑っていた。


CB400SFに股がり緊張しているのが直ぐにわかった。

バイクに股がりエンジンを掛けて、発進しようとして、何度もエンストしている姿をボーッと眺めていた。


少し走行までいくが、空吹かしして何度もエンストして立ちコケしていた。

…乗り方教えとけば良かったな。


10分休憩で辛そうに戻ってきた。

「…難しいから無理だよ。」


人目を忘れているのか、晴斗を抱き締め、ヘルメットを被ったまま頭突きされていた。


晴斗のバイクの横に、凜を立たせて分かりやすく教えていた。

「ゆっくりでいいから、焦って、吹かしてビックリしたらダメだからな。」

「…わかった。」

「坂道発進も焦らず、回転数見て登ってね。」

「頑張るからね。」


チャイムがなると、凜は嫌々向かった。






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