第61話バレンタイン①
3連休から数日が過ぎ…学校でブレスレットを付けてる事は‥バレなかった。
晴斗は早く起きして、顔を洗いリビングに向かうと、凜は冷蔵庫からラッピングされた箱を取り出し、嬉しそうに渡した。
「…昨日作ったの。」
「放課後、1人で実家に行った時か。」
「うん。」
朝御飯を食べ終わり、箱を開けると、抹茶のチョコレートが入っていた。…一粒食べて感想を言わず、鞄に直すと、凜は気になっていた。
「ねぇ‥どうだった、固くなかった。」
「生チョコで、甘すぎなくて美味しいよ、わざわざ作ってくれて‥ありがとう。」
「…バレンタインだから‥だよ。」
「あぁ、今日だったな、忘れてた。」
学校の時間が来るまでソファーに座って、凜を抱き締めていた。
「学校に行くと皆の前で抱き締めたくなるんだけど‥ダメだよね。」
「…我慢して、二人の秘密‥だから。」
「恥ずかしそうに言うけどさ、恵が知ってるから、三人だけどな。」
凜はキスして言った。
「…でも、秘密だよ。」
数分後、学校に早めに向かっていると、凜が持っている紙袋が気になって聞いていた。
「…女友達にあげるチョコだよ、男性にあげたの‥晴くんが初めてだからね。」
「良太にあげないのか。」
「…欲しそうならあげるよ…抹茶のチョコは、晴くんだけだよ。」
教室に着くと恵から、凜もチョコを貰い、晴斗は鞄に直すと、味の感想を求められ、目の前で食べていた。
「市販のチョコより、ビターで美味しいよ。」
「晴斗くんは、甘くない方がいいと思ってね、美味しいなら良かった。」
良太を見ると、凜から貰えるか期待した姿を見て、晴斗は机に突っ伏して笑っていると、頭を叩かれていた。
「晴斗なんで、笑ってんの。」
凜が恵にチョコを渡すと、良太が子犬のように欲しがった姿をしていたと教えると、良太は恥ずかしそうにしていた。
「凜欲しいってよ。」
凜から良太もチョコを貰うと、目の前で美味しいしか、言わない姿を見て、晴斗も一粒貰っていた。
「教室がチョコ臭いけど、確かに美味しいな。」
「晴斗も貰ったんじゃないのか。」
「味が違うんだよ‥抹茶だから、あげないけどな。」
「ケチだなぁ。」
晴斗は鞄から生チョコを取り出し恵も食べて、美味しいねと感想を言うと、作った本人はニコニコしていた。
数人の男子が羨ましがって、こっちを見ている姿を見て晴斗は、凜のチョコ欲しいなら良太から遠慮せず貰ってと言うと、チョコが無くなっていた。
「晴斗ふざけんなよ。」
「怒んなよ、拒否しろよ。」
「出来ねぇよ…一個しか食ってねぇんだよ。」
「恵のがあるのに、不満なのか最低だな。」
「幼なじみで毎年貰ってんだよ。」
「他の人みたいに、下さいって行ったら。」
「晴斗が行けよ。」
「凜が拗ねるから出来ないんだなぁ。」
「恥ずかしいならそう言えよなぁ。」
晴斗は凜に小声で聞いて許可を貰うと、立ち上がった。
「良太も行こ。」
「晴斗がインチキしないか見とくよ。」
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