第103話 休息の時間
試合が終わった後、待ち合わせ場所へとたどり着くと、アイシャ、プルン、リッコ達ともう一組、ローゼ達も共に居た。
「ローゼさん、お久しぶりですね」
「……」
「どうかされましたか?」
自分が挨拶を告げるとローゼは少し腰を落とし、自分と視線を合わせては顔をのぞき込んでくる。
「不思議。今の君を見ても何とも思わないのに……」
「えっ?」
「あっ! ごめんごめん。気にしないで。それよりも試合お疲れ様。まさか勝っちゃうとは思ってなかったから驚いたわ」
ローゼは話を誤魔化す様に、自分の両肩をパンパンと叩いては試合の勝利を労ってくれた。
「いえ、運が良かったんですよ」
「あはは……。そ、そう……運ね……」
自分の言葉に苦笑いのローゼ。
それとは反対にニコニコとした顔に近づいてくる女性。豊満な胸を背中に押し付けては、両手を前に回して抱きつくミーシャ。
「あら、私はこの子が勝つと思ってたわよ。ふふっ、試合お疲れ様」
「どーもです、ミーシャさん」
ミーシャの行動に呆れるローゼ。
自分に押し付けられているミーシャの自慢の厚い胸を見て、他の女性陣は黙っていなかった。
「お疲れ」
「お、お疲れ様です、ミツさん……」
「試合おつかれニャ、スケベ野郎」
ジトっとした視線を送り近づくリッコ。
戸惑いながらも言葉をかけてくれるアイシャ。
顔は笑顔のまま、罵ってくるプルン。
「うん、皆も応援ありがとうね。プルンさんや、なんでスケベなのかな……」
「鏡があったらその顔見てみるといいニャ……。ミーシャ、そろそろ離れるニャ。それじゃ買い物も行けないニャよ」
「あら。ふふっ、怒られちゃった。ミツ君、試合で疲れてるでしょ? 私が後でマッサージでもしてあげるわ」
「えっ!?」
言葉を告げながら更に自身の体重を背中にかけるミーシャ。
「「「!?」」」
「なっ! なに期待してるのよ、この莫迦!」
ミーシャの思わぬ言葉に、抱きつかれたまま振り向く自分の頭をパシッと叩くリッコ。
「あだっ! な、なんで自分が?」
「ふんっ!」
「あらあら」
「あらあら、じゃ無いわよ。ほら、ミーシャもいつまでも悪ふざけしない!」
悪ふざけが過ぎたのか、ローゼから軽く頭を小突かれては、服をグッと捕まれ引き寄せられるミーシャ。
「あれ? そう言えばリックとリッケは? それに他の皆さんたちの姿も見られませんが?」
早速露店巡りとその場から動き出す面々。
周囲にリック達の姿が無いことを聞いてみると、試合が終わった後、リックとリッケはバン、ギーラ、そしてアイシャの母のマーサと共に商人ギルドへと用事があるという事で別行動となった。
トトもミミは何故か試合後気分が優れないと言って露店巡りはパス。変わりにミーシャとローゼがミツに賭けていた賭け札を持って換金テントへと並びに行っているそうだ。
「そうなんだ。でも、何で二人はギーラさん達と一緒に商人ギルドに行ったの?」
「……。まぁ、あんたには伝えるべきね」
リッコは少し前を歩くローゼとミーシャに聞こえない程度に声量を下げて、リック達が商人ギルドへと行った理由を教えてくれた。
「えっ、えええっ!?」
「莫迦! 声が大きいわよ」
リックとリッケ、二人が商人ギルドへと行った理由。
それは昨日、ミツに賭けた掛け金の換金の為もあり、金額が高額な為にそのまま商人ギルドにお金を預ける口座を作りに行ったそうだ。
通常、日本などで通帳などを作る際は、本人確認の証明書と印鑑さえあれば作れる。この世界の口座も同じ要領であり、リック自身の冒険者カードと血判、この2つだけで作れるのだ。
だが、それだけならばリック一人でも口座を開きに行けばいいだけと言う話になるのだが、今回リックが当てた金額が大き過ぎる為と理由もあって、リッケが同行者として共に商人ギルドへと行ったようだ。
何故リッケが同行したのかだが、お金を預けるにはとても危険であり、高額なお金を預ける者の命が危険になる。
これは例えであるが、リックの口座にあるお金、これを狙って悪党が無理やりにリックのギルドカードを奪ったとする。勿論ギルドカードだけではリックの口座からはお金は引き出すことはできない。
口座を作る際、必ず本人の血判をギルドに置いてある魔導具、これに記録させるのも、こう言った行いを防ぐ為でもある。
だが、悪党と言うのは手段を選ぶことをしない。
血が必要なら血を抜き、血判が必要なら躊躇うことなくリックの指を切り落とし、簡単に口座のお金を引き落としてしまうだろう。
ならどうするか?
答えは簡単。口座の鍵を二重、三重にすればいいのだ。
口座の持ち主はリックとして、本人が認めている相手、今回は弟であるリッケが、第二の鍵役をやってもらうためと、共に血判登録をする為とギルドに足を運んでいる。
小額程度ならリック本人の自由にお金の出し入れができるが、一定の金額、その時決めた金額以上を引き下ろす際は、必ずリッケ同伴ではないと降ろせなくするのだ。
不便だと思うだろうが、暗証番号で管理されている訳でもなく、キャッシュカードや通帳が手元に来るわけもないこの世界ではこれが一番安全な方法。
なら、お金なら家に箪笥貯金でもしとけばと思うだろうが、リック達は庶民、貴族でもない庶民で家に箪笥貯金と言えば、ほんの僅かである。
既に洞窟での稼ぎを兄弟そして妹のリッコもベットの下に隠しているのだが、その金額が大き過ぎて、リックは気が気でないと少し不眠気味であった。
ならばと、リックも自身の口座を作る目的もできたので、共に同行しているそうだ。
因みにリッコのお金も一先ずリックの口座に共に入れており、時間がある時にでもリッコも自身の口座を開くだろう。
自分はリックが当てた金額を聞いて驚きであった。
それはそうだろう、この世界で賭け事が認められてるとは言え、17歳のリックが日本円で1000万以上を当てたのだ。
流石に一生遊んで暮らせる金額ではないが、庶民であるリック、彼が贅沢をしなければ数十年は自由に生きていける金額である。
更に驚いた事が、リックは賭けにて得た金は、皆と分けるとまで言っている。
「はぁ〜。リックも太っ腹だね」
「あいつは只の莫迦なだけよ。後先考えずに大金賭けるなんて。また莫迦なことしないか心配よ……。無いとは思うけどね……。あいつのお金だけど、今は私達があれこれと注意ができるけど、それもいつまでもって訳にもいかないでしょ? リックの性格を理解して、お金とか管理してくれるお嫁でもいれば別なんだけど。」
「リックに嫁ニャ?」
「ええ。あたしのお母さんが言ってたけど、男に財布を握らせたら使うだけ使っちゃうから、結婚後はお嫁さんにお財布は預けなさいって細かく言ってたもの。リッケは兎も角、リックのお嫁になる人は、その辺しっかりとした性格じゃないと駄目ね」
「ははっ、しっかり者ね〜。確かにリッケみたいな性格の女性ならリックの操縦も任せれるかもね」
「リッケみたいな」
「性格の女性ニャ……」
「「んー……いないわ」ニャ」
「……そうだね」
冒険者と言うのはいつ死んでしまうか解らない職業である。その為、冒険者の大半は稼いだ金はその日の酒代や、武器防具の修理等に当てられ中々貯金をする人はいないのだ。
それでも、高額な報酬を貰った冒険者も同じかと言われたらまた違うだろう。
もしかしたら、次の依頼で足を失うかもしれない。
もしかしたら、次の依頼で腕を失うかもしれない。
冒険者を辞めた後、やはり必要なものは金である。
リック達の父、ベルガーもそこそこと金を貯めていたお陰で、最愛のナシルの為と家を建てることができ、安い給料であるが、街で衛兵を始めることができた。
ベルガーの話の大半は、妻のナシルとの惚気話であったが、冒険者を辞める時、お前達も直ぐに嫁さん貰えるぐらいは金は稼いでおけと、いつの間にかベルガーの口癖にもなっていた。
共に商人ギルドに行ったギーラも同様である。
ギーラもミツへと恩返しと自身の貯蓄を崩し、村人から少しづつと金を集めてはその金をミツへと注ぎ込んでいた。その金はミツへの恩返しの気持ちが占めていたためと、ギーラ達には私欲の気持ちは無かった。
もしミツが敗北して賭け金が失おうとも、ギーラは気にする気は全くなかったのだ。
ところが驚き。
初戦の戦いではミツの倍率は23.8倍、これが大当たり! 更に今回バーバリとの戦いでのミツの倍率は16.8倍、少し下がってはいるも、それまた大当たり。
貧困としていた村が一転し、孫のアイシャが大人になっても、まだ税に苦しむ生活をすることのない程に、スタネット村は金を得ることができていた。
改めて伝えるが、この世界では賭けにてかけられた金で大会の出場選手の待遇が変わる。
その為、知人などが出場する際は観客がスポンサーになるので、出場選手によっては食事、寝床等が極端なほどに違いが出るのだ。
ミツと初戦に戦ったシャシャは特に賭け金が多く、今も貴族しか泊まれないと思える部屋でスヤスヤと眠っていた。
武道大会の会場から少し離れた場所でも、今、ライアングルの街中がお祭り状態なので、見て楽しむ物は沢山ある。
プルンが鼻をスンスンと動かしては食べ物屋にフラフラと誘われ、共に行ってしまうリッコ。
アイシャを着せ替え人形の様に服を当てるミーシャとローゼ。
うん、女性の買い物に男は肩身が狭いのは以前経験したが、人が増えればそれが増すだけだった。
アイシャは街のお祭りの参加に喜んでいる。
まだアイシャが幼い頃、父がまだ生きていた時に母のマーサと三人で来たことがあると言っていたが、その頃のアイシャは幼すぎて記憶がほとんど無いと言っていた。
お店も様々で、村に不定期に来るような行商ではなく、ずらりと並ぶ露店の列に興奮しているようだ。
「ミツさん、あれっ! あれ見て! 凄い、お人形が動いてるよ!」
アイシャは少し広めの場所を指を指して興奮している。そこでは幾人ものパフォーマーがざまざまな催し物を行っていた。
その一つである人形劇。それが人々を集める程に注目を集めている。
人形の大きさは子供程の大きさ。それが数体。
その人形は不思議と、糸もなく、棒などで操ることもなく、後ろで声を出す人の声に合わせて演技をしていた。
数人の男女が演技の声を出し、一人の男性が腕を前に出してはジッとしている。
もしかしてと思い、その男性を鑑定すると、彼はドールマスターのジョブであった。
他の人も鑑定すると、パフォーマー、ジョングルール、ダンサー、アオイドス、シャーマン。
ジョブからして旅芸人の人々であろうか。
中には自分が見たことの無いジョブもあったので、それはユイシスに質問してみる。
(シャーマン……えーっと。ねえ、ユイシス。シャーマンって何だっけ?)
《はい。【シャーマン】魔力と自然の力を使い、霊などを召喚できるジョブです。【サモナー】の召喚士と近いといえば、ミツには解りやすいかもしれません》
(あー。なるほど。霊の召喚士ね……。あれって、あの人も人形を操ってるの?)
《スキルの一つ〈魂魄〉を使用し、人形にオーバーソールさせることに、人形を動かすことが可能です。また、〈魂魄〉で出した霊を自身に憑依させることに、自身のステータス等、戦うスタイルを変えることができます》
(へ〜。なるほどね。ありがとうユイシス)
ジョングルールである人が陽気な音楽を流しだすと、その音に合わせて人形が踊りだす。
演技を見ている子供達からは、興奮気味にキャッキャと声が聞こえ、周囲の観客もリズムにあわせて手拍子。
人形が前列にいる子供に手を差し伸ばし、ステージに引き寄せては共に踊りだす。
数人の子供が人形と共に踊る姿をみては大人たちも笑顔。
そして、猫の様な人形がアイシャの前に立ち、器用に片膝をついては踊りのお誘いをした。
最初恥ずかしいと戸惑い気味のアイシャであったが、そんなアイシャをプルンが彼女の手を取り、共に前にでては踊りだす。
演技から踊りと、まさにお祭り状態であった。
笑顔に踊り終わったアイシャとプルン。
恥ずかしかったが楽しかったとアイシャはプルンにお礼を告げていた。
おひねりを入れる帽子を持って自分の前に立つ先程の猫の人形。
自分は懐に入れている小さな麻袋から銀貨を出してはその中へと入れる。
金が入ったことが解ったのか、猫の人形はお尻をフリフリ、尻尾を自分の腕に絡ませては握手をしてくれる。
人形を操っているシャーマンの女性も笑顔で応えてくれた。
見終わった後も、他の場所を巡ることに。
占いをやっているテントを見つけると、興味津々の女の子達。占いなんて朝のテレビでやっている血液型占いしか見ていなかったと思いながらテントを見ていると、いつの間にか自分を除いて5人の女性が列に並んでいた。
自分のように待ちぼうけの男性も居るようで、近くの露店などで時間を潰しているようだ。
待ち時間もありそうなので自分も近くの露店を見て時間つぶしである。
あまりテントから離れない程度に周囲をぐるりと見ていると、見覚えのある帽子が人混みの中に見えたのでそちらへと足を進める。
近づけば、先程聞いていた陽気な音楽とは違い、聞き覚えのあるマンドリンを奏でる音が耳へと入る。
「あっ。やっぱり」
「おや。これはこれは、貴方もこの街に来られていたんですね」
顔を見合わせるも、彼、シモーヌは演奏する手を止めることなくマンドリンを弾きつづけている。
「はい。まぁ、来られたと言うか、帰ってきたと言うべきですかね」
「そう言えば、貴方とはここの街発の馬車で初めて顔を合わせてましたね」
「ええ。ところでシモーヌさん、その音楽は」
先程からシモーヌが奏でつづけている曲に聞き覚えがあったので聞いてみると、それはやはり以前酒場で自分が教えた曲であった。
シモーヌの持つマンドリンは軽やかな音色を出し続けている。
「はい。以前貴方に教えて頂きました神へ捧げる曲です。本当に素晴らしい曲ですので、最近ではこればかり奏でておりますよ」
「気に入って頂けたみたいで良かったです。……あっ、シモーヌさん、そこ少し違いますよ」
「えっ?」
シモーヌの奏でる曲に少し間違いを見つけたのでそこを教えると、シモーヌは少し驚き、マンドリンの奏でる曲を止める。
「おやおや。私としたことが、無意識にアレンジを入れてしまっていたようですね」
「いや、2、3回聞いただけで弾ける時点でも凄いことですよ」
自分は懐に手を入れ、周りからアイテムボックスが見えないように木笛を取り出す。
そして木笛に口を当て、先程シモーヌが演奏していた場所まで演奏し、間違いの場所を教える。
突然木笛を取り出したことにキョトンとしていたシモーヌであったが、曲を奏でだすとニコリと笑顔になった
。
間違いであった場所からそのまま演奏し続けると、シモーヌもマンドリンを合わせて演奏をし始める。
突然始まるマンドリンと木笛のデュエット。
気鳴楽器と撥弦楽器の組み合わせはとても良く、曲であるMarc Shaimanも周囲の観客がリズムに合わせて身体を動かす程である。
フッと視線を観客へ向けると、先程人形を使い公演をしていた人達も、観客となってこちらを見ていた。
驚きに目を開き笑顔を向ける人、演奏を見て自身の楽器を音を鳴らさず指先だけ動かしている人。
自分がそちらを見ているとシモーヌも気づいたのか、シモーヌは自身の座る場所を少し詰める。
シモーヌが笑顔のままコクリと頷くと、自分は観客の中にいるジョングルールの男性を手招きする。
彼は突然の手招きに「えっ」と驚き、自身に指を指しては驚いていたが、周りの仲間達が彼の背中を押したのか、頭を掻きながらシモーヌの隣に座った。
観客から突然の演奏の参加者に、人々は彼を拍手で向かいいれる。
タイミングを合わせ、曲に参加。
デュエットの演奏からトリオの演奏。
音楽の軽やかさ、音質が上がったことに更に辺りの人達を集め始める。
自分の木笛、シモーヌのマンドリン、そして三人目として入ってきたジョングルールの彼の持つ楽器、それはハーディガーディ。
ハーディガーディは右手でハンドルを回しながら演奏する楽器である。
バイオリンの様な形をしているが、鍵盤があり、それを押すことに音色を奏でることができるのだ。
彼も演奏スキルのレベルが高いのか、即席にも関わらず、息を合わせて演奏をしてくれる。
子供が少し前に出てきては踊りだし、その子供の姉弟も手を取り踊りだす。
周囲の手拍子もあり、盛り上がる演奏となった。
おひねりが目的ではなかったので、お金は集まらなかったが、シモーヌと共に演奏してくれた男性、ベルナティルさんは演奏ができただけで満足の笑みを浮かべていた。
共に演奏したベルナティルは、シモーヌと自分と握手を交わす。
「ありがとう。こんな素晴らしい演奏に参加できたことに、とても感謝するよ」
「いえ、こちらこそ一緒に演奏できたことに感謝します」
ベルナティルが自分の手を両手にて握り、感謝の言葉を告げてくる。
それを見たシモーヌは、ジャラ〜ンとマンドリンを鳴らす。
「おお〜。私は今、猛烈に感動してます。二人と共に演奏できたこと。音楽が我々を結んだこの縁に、深く、深く神に感謝を!」
(シモーヌさん、大げさな……。そんな事言っちゃったらベルナティルさんも引いちゃって……)
「ええっ。勿論です。共に神に感謝の奏でを送りましょう!」
(同類だったか……)
また演奏を始める二人。
その演奏に合いの手程度に音を入れると、二人はそれだけでも満足と演奏を続けていた。
やっと満足したのか、二人が演奏を終えたのは、占いを終えた5人が自分の姿を見つけて近づくとほぼ同時であった。
「ミツ、ここにいたニャ!? あれ?」
「あら。馬車で見た詩人さんじゃない?」
プルンとリッコは自分と共にいたシモーヌを見る。
シモーヌは頭に被っていた三角帽子を取っては女性陣に頭を下げ挨拶をする。
「これはこれは、お嬢さんがた、またお会いしましたね。お初の方もいらっしゃいますのでご挨拶を。私、歌と共に旅をしておりますシモーヌと申します。みたとおり、只の詩人でございます」
「どうも、アイシャです」
「あらあら〜。ミツ君に詩人の知り合いがいたのね〜」
「ちょっとミーシャ、その言葉じゃ彼に失礼よ。……でも、シモーヌ……何処かで聞いたことある名前ね……」
シモーヌはプルン達との再開、アイシャ達との出会いにまた演奏を神に感謝と言ってはまた演奏を始めた。
プルンとリッコは苦笑いであったが、アイシャは目の前の楽器の演奏に、彼女は目をキラキラさせながら嬉しそうに見ていた。
だが、楽しい時間も止められることに。
「んっ?」
「あっ、雨ニャ……」
ポツリポツリと空から落ちてくる雨粒。
それはシモーヌも演奏を止めるほどに、雨は次第と強くなっていっていた。
「うわ、一気に降ってきたわね!」
「取り敢えず屋根のあるところへ行きましょう」
「そうね〜」
近くの露店に避難。
お店の人には申し訳ないが、店の人も雨では客は来ないからと軽く許してくれた。
雨がザーザーと降るのをみて、スキルの〈天候予知〉
を発動。
すると今降っている雨がどれ程続くのかが解った。
「あ〜。これは暫くは止みそうも無いね……」
「ミツ、天気も解るニャ?」
「うん。残念だけど、明日の朝方まで降り続けるね」
「はぁ〜。なんか雨の匂いすると思ったら、案の定やっぱりか〜」
「もうっ! ローゼったら、気づいてたら先に教えてよ」
「いや……確実に降るかは私も自信なかったし。これはもう、今日は露店のお店巡りは駄目ね……」
空から降ってくる雨を見て、皆がため息を漏らす。
「残念です……」
「「「はぁ〜」」」
雨が更に酷くなる前と、シモーヌはマンドリンをマントの中に入れては宿に戻ることを告げてこの場を後にすることになった。
「それでは皆様、私はここで。貴方とここで出会えたことに感謝を。そして、音色と共にまたお会い出来る事を願います」
「はい。その時時間があれば、また何か新しい曲をお教えしますね」
シモーヌは自分の言葉に笑顔になり、三角帽子を深く被っては雨の降る人並みを掻き分けて走っていってしまった。
「あんた、いつの間にあの人と仲良くなってたの?」
「うん。ちょっとした縁でね」
「そっ……。兎に角、今日はもう帰るしかないわね。リッケ達も流石に帰ってるでしょうし」
リッコの言葉に、自分は〈マップ〉を発動させてはリックとリッケの居場所を見てみる。
二人のポイントは家のある方へと進んでいた。
ポイントの進み具合から見ると、走って帰っているようだ。
「トトとミミちゃんは大丈夫かしら〜」
「そう言えば二人は体調が悪かったんですか? もし病気なら自分が治療に行きましょうか?」
「……」
自分がそう告げると二人は顔を見合わせ、目配せをする。
「ふふっ。ありがとうねミツ君。大丈夫、きっと二人は試合を見て疲れちゃったのよ。あんな戦いを見るのは、二人は初めてだったでしょうし。勿論私も、あんな激しいのは初めてよ。うふっ」
「そ、そうですか……」
前かがみに顔をのぞき込んでくるミーシャ。
彼女の豊満な胸へと、首筋から垂れる雨粒、それに視線が行く。
からかうミーシャに呆れるローゼ。
だが、彼女もミツの戦いを見て、内心驚いていたのは確かである。
トトとミミ、二人が今共に来ていない理由の一つとしては、ミツの戦う威圧感に当てられたせいもあるかもしれない。
〈ブーストファイト〉を使用時、ミツの髪色が変わったと同時に感じる恐怖心。
心弱き者は怯え、恐怖し、そして気を失う者も中にはいた。プルンやリッコ達が強い心を持っているかと言われたら違う。
彼女達はミツと共に戦い、ミツの非常識的行動に慣れもあった分、恐怖に心折れる程では無かった。
アイシャや祖母のギーラ、母親のマーサ達は、ミツに対して恐怖心よりも感謝の念の方が強かった分、これまた恐怖に押しつぶされることは無かった。
ダニエル様やパメラ様、エマンダ様達も同様である。
だが、それ以外。
ミーシャやローゼも内心はミツに対して恐怖はあった。だが、それは試合中だけの話。
試合が終わりいつもの飄々とした笑顔を向けられ、ローゼ達の恐怖心は、スッと心から抜けるように消えてしまったようだ。
トトとミミ、二人はミツと顔を合わせることもなく換金テントへと向かってしまったので、今でもミツに対して恐怖を抱えていた。
ローゼも二人の気持ちが解っていたのか、換金後はそのまま帰路につく事を促していたようだ。
「いや〜。少年、綺麗なお姉さんにモテモテだね」
「えっ?」
声をかけてきたのは雨宿りをしている露店の主人。
恰幅のよい身体に縦縞の服装、髭を生やしたおじさんである。
ベレー帽の様な物をかぶれば、そろばん片手に洞窟に潜る商人にそっくりである。
「あら、綺麗だなんて、おじさん口が上手いわね」
「いやいや、こんな雨の中、店前に綺麗どころが並べばそう思うさ。どうだい、お嬢さん方、このまま雨が降り続けるようじゃ、店を閉めなきゃいけない。閉める前に少し見ていくかい?」
「ふふっ。そうね」
「商売人だニャ〜」
商人のおじさんの言葉に誘われるように商品を見始める面々。
「あら、よく見たら可愛いじゃない」
「これって何ですか?」
「アイシャ、これは髪留めだよ。こっちは腕輪かな?」
「腕輪って……。ミツ君、せめてブレスレットって言いなさいよ」
腕輪と言う言葉に苦笑いをするローゼ。
アイシャの髪は片方だけのポニーテール。
髪は植物の蔓の様な物で止めてある。
今手に取っている髪留めを見るのは初めてのようだ。
「全く、あんたもリックそっくりね。どうせネックレスも首輪とか言うんでしょ」
「いや、流石に首輪とネックレスは使い分けるよ」
意外と数多くの商品が陳列されており、彼女達はキャッキャと喋りながら商品を見ていた。
「気に入ったものがあったら言っておくれ」
客を捕まえたと、店のおじさんは接客を始める。
「あら、アイシャちゃんにはこの髪留めが似合うわね」
そう言ってミーシャが手にしたのは緑色の髪留めであった。植物を混ぜたのか漬け込んだのかは解らないが、光に当てると鮮やかな緑色であった。
「えっ? 私にですか」
「うん。アイシャの髪色にピッタリだね」
ミーシャから髪留めを受け取り、アイシャのオレンジ色の頭にあてがえて見る。
アイシャの様に明るい髪色には、緑はよく似合う。
彼女はまじまじと見られたことに恥ずかしいのか、少し頬を染めてはテレ顔になっていた。
「じゃ、アイシャはこれね」
「えっ!? でも、ミツさん、私……その、お金が……」
アイシャは自身がそれ程持ち合わせが無いことを告げると、申し訳なさそうに一歩後ろに下がる。
そりゃ、日々の食事もままならない生活をしていた子。親のマーサから、定期的にお小遣いなど貰ってはいないだろう。
先程の占いもお金がかかるとは知らずに並んでしまい、プルンに料金を出してもらったくらいである。
「いいよ。せっかく応援しに態々村から来てくれたんだもん。これは自分からのお礼だよ」
ニコリと笑顔を向けては買ってあげることを告げると、アイシャは少し戸惑っていたが、次第に嬉しそうな笑顔に変わっていった。
「あ、ありがとう、ミツさん。私、大切にするね!」
「うん。……んっ?」
アイシャと笑顔を交わしあっていると、目を細め、視線を送る二人。
「「じー」」
「な、何かな二人とも?」
「別に〜。ただ私達もあんたの事[一応]応援しに来てたんだけどな〜と思ってね〜」
「そうよミツ君。私は昨日から応援してたのよ〜」
「っ!? そんな、私達は予選から応援してたわよ!」
競い合う訳ではないが、共に応援に来てくれている面々。
「あー。はい。どうぞ、皆さんも良ければお好きなものを選んでください。自分からのお礼です」
「あらあら〜。催促しちゃったかしら〜。でもありがとうね」
「フンッ……。一応お礼言っとくわ……。ありがとう」
「二人も選んで」
「いや、私はいいわ。髪を止めるほど長くないし、ネックレスって弓使いには少し邪魔だもの。気持ちだけ受け取っておくわ。ありがとうね」
「ウチもニャ」
そう言って二人はアクセサリーに興味を失ったのか、雨の降る街並みに視線を戻した。
「そう……。んー」
言われれば確かに。
赤毛のショートカットであるローゼと、茶色のショートカットのプルン。
二人とも髪は短く、髪留めを使うほどでもない。
戦闘スタイルもプルンは動き回るスタイル。
ローゼはボウガンを武器とする弓使いだけに、弓にネックレスを巻き込んだら大変な事にもなる
二人とも女性である前に冒険者、戦うことを優先として考える為にファッションと言うものにはあまり興味を出していないようだ。
そんな事を考えている中、リッコが1つのネックレスを手に取り、少し眉を寄せては店のおじさんへと質問をする。
「……ねえ、おじさん。このネックレス……これって、もしかして魔力付与品?」
リッコの手に取っている赤い石の付いたネックレス。
装飾は殆どないが、陽の光とは別に、石の内側からキラキラと光るその石は、目に見えて暖かな輝きを出していた。
「おっ。お嬢さんの言うとおり。この商品の中は全てが魔力付与品だよ。お嬢さん、もしかして火の魔術が使えるんじゃないかい?」
「えっ、ええ。何で解るの?」
リッコの今の服装は一般的な街娘の服装。
それなのに商人のおじさんはリッコが魔術が使えることを見抜いてしまった。
「はっはっはっ。なんてことはないさ。今お嬢さんが手にしているのは魔力付与品。お嬢さんの魔力に反応してるからそんなふうに光るのさ。それは火属性の魔法を少しだけ強化する効果を持つ奴だね。だから、お嬢さんの使える魔法は火じゃないかと思ったんだよ」
「へ〜。あっ! 本当、こっちは光らない」
「それは水や氷を扱う人が手に取ると効果を出すよ」
リッコは右手と左手、両方にネックレスを手に取る。
片方は赤く光を出すが、反対に持つネックレスは光ることは無かった。
隣で聞いていたミーシャはリッコからネックレスを受け取ると、ネックレスに飾りとして付けられている石が青白く光を出し始める。
「あら、凄いわね。ちゃんと私にも反応するわ」
「おや、そちらのお嬢さんも魔術が使えるのかい。なら、お二人には是非ともネックレスをおすすめするよ」
そう言っておじさんは木箱を取り出し、蓋を開けるといくつものネックレスを木箱から取り出し始めた。
ミーシャは目の前に並べられていくネックレスを見た後、自分を見てくる。
「そうね〜。折角ミツ君に買ってもらうんだもの、私はあなたに選んでほしいかしら」
「え? 自分にですか? ん〜。そうですね。いいですよ」
ミーシャの言葉に了承する返事を返すと、リッコは少し眉を寄せては、ミーシャと同じように自分にネックレスを選ぶよう促してくる。
「むっ。ミツ、私にも選びなさいよ」
「う、うん。そうだね……。すみません、この付与の効果はどれも同じなんですか?」
「ああ。ここにある石の大きさだと対して違いはないね。違いがあると言うなら形くらいだよ。もっとも、これ以上大きい物となるとこう言った露店の店では出したとしても誰も買わないからね。第一、造るのが難しい」
「なるほど。造るのが難しいですか……。取り敢えず、じゃ〜ね。先ずはリッコは、えーっと……これか、これか、これかな……。リッコ、少し顎を上げて」
「う、うん」
並べられたネックレスを3つ手に取り、リッコの胸元へと充てがう。
キラキラとした装飾に暖かな光を出しているネックレスは、まるで子供の玩具のようだ。
自分が手に取ったネックレスが光りだしたことに、おじさんは少し眉尻を上げていた。
「……」
「うん。これかな」
リッコに選んだのは紐が短めであるプリンセスネックレス。
暖かな光を薄っすらと出している。
これと選んだネックレスを見て、リッコは「じゃーそれで」と、すんなりと言葉を返し、そっぽを向くように他の方を向いてしまった。
前世でも異性にアクセサリーなどを送ったことがない自分なので、もしかしたら選択を間違えたかもしれないと思っていた。
だが、その時のリッコは強く歯を食いしばるほどに、ニヤける顔を皆にみせまいと努力していた。
「次はミーシャさんですね。えーっと、青色の石はこれと、これと、あっ、これもか」
「……」
次はミーシャの番と、今度は青色の石のついたネックレスを選ぶ。
また石が自分の魔力に反応し、光をだす。
石が光りだしたことに、店のおじさんは先程よりも目を開き驚きの表情である。
「ミーシャさん、少しかがんで髪をまとめて頂けますか?」
「うふふっ。はい」
「これだと少し角ばって危ないですね……。これなんか如何ですか?」
「あら、素敵じゃない。じゃ、私はこれでお願いするわ」
ミーシャに選んだのは、紐が長めのマチネネックレス。
ミーシャは胸部が豊かな分、リッコと同じプリンセスネックレスはアンバランスに見えてしまう。
いや、別にリッコの胸部が崖とか絶壁とかそんな事を言っている訳ではなく、二人の首から胸部の間や、服装を考えると同じ物を合わせるのは難しいだけである。
ミーシャは受け取ったネックレスを愛でるようになで、首にかける。
「うふふ。ありがとうねミツ君。私、男性から贈り物を貰うのって初めてだから嬉しいわ」
「そうなんですか? 意外ですね。ミーシャさん綺麗ですから、男性から色々とプレゼントとかされてるのかと思ってました」
「「「!」」」
自分の言葉に反応する女の子達。
ミーシャは驚きの表情を浮かべては、少し頬を染めて言葉を返してくる。
「……。あら……。そ、そう言ってもらえると、嬉しいわね〜。確かに、物を渡してくる人はいるわ。でも、その殆どがね……。はぁ……。あきらかに下心丸出しな男ばかりなのよね〜」
「な、なるほど……」
ミーシャは自身の豊かな胸を下から持ち上げる。
たゆんと揺れるそれは、例えるならそう、大きめの甘夏であろうか。
「ミーシャって男から言い寄られるけど、大半がそのミーシャの胸と会話してる様にも見えるのよね」
「ちょっと! ローゼ、変なこと言わないでよ」
ミーシャはローゼの言葉に顔を赤くし、恥ずかしそうに自身の胸を隠した。
「全く……。私と大して変わらないもの食べてるのに、何でそうも実ったのよ……」
「ローゼ、なんか言ったニャ?」
「んっ。いや、何でもないわよ。それよりプルンさん、隣の衣のお店見に行かない?」
「いいニャよ」
ローゼは自身の胸部を見ては小さくため息。
そんな素振りを誤魔化すように、プルンを誘って隣の店に行ってしまった。
聞き耳スキルでローゼの呟きは聞こえていたが、あえてスルーすることに。
取り敢えずアイシャの髪留め代と、リッコとミーシャへ送ったネックレス代を払うことに。
男のプライドが解っているのか、リッコとローゼはアイシャを連れ、お会計を見ないように離れている。
因みに、髪留めが銀貨3枚、ネックレスが2つ合わせて、金貨3枚であった
「あの、おじさん」
「んっ、何だい坊や」
「ネックレス以外にも、付与された品ってありますか?」
「そうだね……。ネックレス以外となると。このリングとブレスレットくらいだね」
教えてくれたのは数点のリングとブレスレットだった。
リングのサイズは不揃いであり、石の大きさも様々。
ブレスレットも見せてもらったが、正直、形が歪んで腕を痛めそうに見えてしまう。
「そうですか……。因みに効果は?」
おじさんは丁寧に一つ一つの説明をしてくれる。
どうやら自分が金を持っている客だと判断してのこの接客なのだろう。
それぞれ付与された効果を聞いて、弓使いであるローゼと速さで戦うプルンにはピッタリな性能であることが解った。
「……」
「どうしますかお客人。言ってはなんだが、これ程品を揃えた露店は早々と見つからないはずだよ」
「そうですね……」
店のおじさんはここだと言わんばかりに、商品を押してくる。
だが、自分の頭の中では既にどれを買うのかは決まっていた。確かに、店のおじさんの言ったとおり、買うなら今だと判断し、購入を決意する。
アクセサリーを購入後、雨は降っているがこのまま解散するのも勿体無いと言うので、皆で食事をすることになった。
∴∵∴∵∴∵∴∵∴
武道大会の一室にて。
部屋の中にいるのはカイン殿下、マトラスト辺境伯、巫女である神殿長のルリ様。
「……」
「……」
「……」
部屋の中は沈黙、静寂が満ちていた。
部屋に案内された後、ズーンと沈む様に、三人の頭上には影がさすようにも見えるこの光景。
つい先程、武道大会で見た試合を思い出しては、一人一人と顔を青ざめさせていた。
少年とは思えない力。
人ならざるものの戦い。
人としてありえぬ姿。
そして、彼が何を求めているのか。
様々な考えが、カイン殿下とマトラスト様の頭の中では結論が出せずに彷徨っていた。
ルリ様に関しては、いつも無表情に近いので表情を読むことができないが、今回ばかりは彼女も驚きは隠せないようだ。
カイン殿下はミツの案件だけではなく、ラクシュミリアの戦いも彼を悩ませる物であった。
何故同じ騎士団所属であるティスタニアに、彼が本気の刃を向けたのか。
そして、何故命を奪ってしまったのか。
色々とラクシュミリアに聞きたいことはあるが、カイン殿下の考えでは取り敢えず過ぎたことは最優先にはならない。
ラクシュミリアに話を聞きたければ大会が終わった後、国へ帰る前にでも、彼の口から喋らせればいいのだ。
だが、ミツに関しては後回しにはできない。
彼は各国代表者へと、自身を売り込むためと戦勝の礼を行った。
あの戦いを見て、他国が黙って見て済ませる訳がない。
とくに、魔族の国、エンダー国のレイリィ様は明らかにミツを狙っていた。
カイン殿下も勿論、マトラスト様も話をまとめて、直ぐにでも王に早馬を出したい気持ちだった。
目を伏せ、腕組みをしていると扉のノックに少し驚き、そちらに振り向く。
「失礼します。ダニエル、パメラ、エマンダ、お呼びを受け、参りました」
「うむ、入れ」
「はっ!」
部屋に入ってきたのはダニエル様と婦人の二人。
娘と息子のミアとロキア君は、ゼクスとセルフィ様、そしてラルスと共に、雨が酷くなる前と、先に屋敷へと帰らせてある。
部屋に入ると深く眉間にシワを寄せる殿下、難しい顔をしては考え込むマトラスト様、そしてパメラ様に対して手を少しあげてこちらへと呼ぶルリ様。
カイン殿下は三人が椅子に座ったことを確認後、マトラスト様に目配せを送る。それを見た三人の表情が更に固くなった。
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