第54話 たぶんエロくない女性論

 ごきげんいかがですか?


 わたしが、たびたびというかしばしば「若くて美しい方」という言葉を発しているので「なに言っているんだ、エロのとうに過ぎた老いぼれ」と思われる読者も多いと思いますが、まったく持ってその通りで反論する気にもなりません。ただですね、わたしの言うところの「若くて美しい方」と言うのは世の中にそうそういるものではなくて、わたしの過去人性ににおいては、うーん、と考えて、二人いたか、もしくはいなかったかくらいの希少種であり、この先は短いと思いますので二度と巡り会うことが不可能に近いもの。つまりはこの世の奇跡の結晶と言い切れるほどの方のことなのです。もし「我こそは」とご主張の強い女人方がいらっしゃれば、ためらうことなく是非にも、わたしのところへ、ご尊顔のアップ、全身のお姿を写した写真二枚と、身長・体重・その他諸々と、一言アピールと緊急連絡先を書いた用紙をなしかしらの方法で、なんとかしてお送りください。メイドも土産として食後のデザートにでもいたしますよ。いいえ、オカズしかもカタカナでなんて言っておりませんよ。(ほんのりエロ、いただきました)


 一応のため申し上げます。わたしの理想は、ある史書の一文と偶然にも一致しております。


『身長、高目を良とすが適宜柔軟対応、髪色は黒必須。天使の輪必須、髪形は中程度以上より重量感無き程度まで、天然パーマ可、人工パーマ不可。顔色、極力健康的白、きりっと引締まりた眉に二重ぱっちりは必須。瞳、大きゅうして黒目がち。其の色はは黒、ほぼ黒に近き茶、瞳淵に濃い青みがある黒の三択。後者最も良し。鼻梁バランスを最重視し高低については特に気にせず。ただし団子は全く持って不可。我慢に限度あり。蕎麦滓応相談。鼻腔に十円玉入るは絶対不可。鼻毛見えぬよう。但し脱毛不可。口はほどほどで良し。但し鱈子不可。耳は中程度。福耳応相談。黒子は位置および大きさにて判断。但し立体不可。顔全体のバランス最重要。素顔光る物、最も良、薄化粧可、厚化粧不可能。身体、全体には中程度をよしとす。極端なる痩せまたは肥満不可。背筋ピンと張りて背骨は弓の如し。胸、中程度を良しとす。但し重要度低し。極端なる貧乳および巨乳、爆乳は朕の好まざるところなり。尻は弾力に富む、張り有りて、キュッと上向き、小ぶり良し、品無き巨大化無視無用。足長く細きこと良なれど限度あり。練馬大根破棄。全体たるを見るに、バランス最良ならば身長の高低、良く相談に乗りし。健康一番。持病不可。万事に於いて整形など不自然、人工物不可。其の人間性に疑問を抱く所なり。最早人に非ず。人形なるか人外の異物か邪気畜生の類か。

 然れど、最重要ポイントは其の性格なり。心善のみを持ち、悪を憎む。純粋無垢にて明朗快活。精神強固最強。しかれど心中穏やかにして確固たる信念を持つ。しかして対応柔軟、犬猫小鳥らの事、愛しこと尚更良し。他者の傷を癒し、ホスピタリティ精神を求む。弱者敗者に心を配り、驕り立つものあれば心に持つ薙刀にて倒す。但し暴力不可。野心不可。金銭欲絶対に不可なり。もし物の余れば他者へ惜しみ無く譲り、物足りぬ時は痩せ我慢。辛抱、質素、清貧に心掛けられる美しく若き女子を朕は心底、愛したい』


 以上は古代中国にその存在があったことがごく最近明らかになったという「涼」という国の第十三代皇帝竜源涼良(りゅう・げん[字]りょうりょう)が自らの妃を大陸全土から広く公募したときに自分の好みのタイプを詳細に書記官に書き取らせ、広く天下に知らしめたものを、極力現代風にわたしが翻訳して、ここに記しました。このような女性は女神くらいしかいないですよね。でも、僕の好きなタイプもこの女性像のようですよ。特に性格面がですね。

 ここに書かれた事項と万が一、全てがぴったりと合う方が、いらっしゃいましたら、わたしの重すぎる腰をあげてでも、お迎えに参上いたしますので、ぜひ、ご都合のよろしい日にちと最寄り駅だけどこかに記入してください。まったく期待しないで待っています。万が一、代理の乳母が行きましたら、わたしは病床にいると思いますのでご容赦ください。

 なお、「涼」や竜源皇帝については令和になってようやく史料が見つかった状態ですので、まだWikipediaにもどこにも記されていません。論文等もないので検索しても無駄だと思います。止めたりはしませんが。なお、神奈川文化大学の歴史学者・御座鳴法治教授がわたしの古くからの知り合いで、いまのところ、彼だけが日本側の研究者として中国で、史料の解読から発掘までしているようです。中華の国には珍しく、「涼」は非漢字国だったようですし何人だったかもわかりません。まだ全ての文字が解読出来てないようなのですが、次に勃興した「惠」の国は漢民族の国だったので彼らが記録した「涼」についての国書『涼国志』との比較でなんとかケロンパではなく近々に全貌がわかりそうですよ。そうしたら、ここにも何かを記しますね。


 全然、女性論になっていませんね。では簡潔に結論を書いてしまいましょう。


 自然界の摂理や染色体の問題、自然出生率の男女差から鑑みますと、日本の主要閣僚や国会議員の過半数、いや極端に言ってしまえば、それらの全てを女性が独占した方が、安定した国を作れると思います。女性と男性では圧倒的に心の安定感が強いはずなのです。


 但し、人間の脳みそが大きくなりすぎたための必要悪なのでしょうかね? 古くからある言葉でこういうものがありますよね。「女の浅知恵」と言うもの。やめてー、怒らないでくださいよ。これは、わたしの作った『造語』ではないのですから。わたしだって、つい数年前まで、このような言葉は男社会が作った差別用語だと思っていましたよ。しかしねえ、見事に、この言葉の正当性を証明してしまった愚かな女性がいましたよね? その名も東京都知事『小池百合子』。もし、あの時「選別」などという「アホの一声」がなければ今の日本とは全く違う日本になっていたんですよ。黙って、民進党議員及び候補者全員を受け入れるだけのことで日本史上初の女性総理だって可能だったのに本当に愚かでしたね。これを「百合子のリアル女の浅知恵」と呼んで後世への戒めとしましょうよ。しかし、本当にすごい言霊でしたよね。「希望の党」が一瞬で「失望の党」に透明変更してしまうなんて、マギー一門では出来ないマジックですね。


 まあ、逆に考えれば、普通の世渡りを覚えた主婦層が国会議員になって、いまいるプロの女性国会議員を駆逐し、家事感覚で国会運営をすればいい日本が作れそうな気がします。そのためには優秀なブレーン、旦那さんの力があればいいですね。

 ではごきげんよう。また勉強して来ます。

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