第44話 わたしのハートは八艘飛び

 ごきげんいかがですか?


 あの、唐突なことなのですが、皆さんにクイズをお出しします。もし、可能ならばのお願いなのですが、出来れば、すぐに答えを見ずに、少しだけご自分なりの正解を考えていただけたらいいなと思います。なぜなら、わたしの中では確固たる答えがあるのですが、他の方が別の答えを持っている可能性が充分にあると思うのです。それがあれば、わたしにとって未知の定理を得ることになりますので、素直にとてもうれしいですし、楽しいです。そういう気持ちのいいものが、本当の「勉強」ではないかと考えているのですが、一般の方々に受け入れていただけるかどうかは実に懐疑的な思いです。


 さて、では出題です。現時点で人類がその実存を確認出来ている巨大な世界のうち、「絶対に」という言葉を使っていい事象は一つであるとわたしは考えます。それはなにでしょうか?


 えー、質問の主旨は伝わっておりますでしょうか? もし「なに言ってるか、全然わかんない〜ウザみざわ〜」という方がいらっしゃいましたら、それはわたしの情報伝達力が未熟だということなので、全責任はわたしにあります。あなた方が気にやむことなどありません。


 さて、さらなる焦らしの為に、一曲おかけしましょうか? お送りするのは、今回のタイトルのネタ元である、桑江知子で『私のハートはストップモーション』もはや、ご存知の方は全くもってマイノリティーでしょうね。では。


 🎵……(ミュージックがかっかっているように自己催眠をおかけください)🎵


 いやあ、懐メロですね。では、わたしがひねり出した答えを発表しますが、その前にCMを必ずご覧ください。我々の使命はスポンサーさまを怒らせないことのみです。


(あの、ここで面白いギャグを考えるのが億劫ですので、皆さん、お好きなCMをお手洗いに間に合う時間くらい想像していてください)


 はい、かなり焦らしましたねえ。まさに現代テレビ界の生み出した、姑息な演出ですね。もしかしたらですよ。実は、解答の発表は来週かもしれませんよ。わたしは録画収録なのでいつ発表されるか知っていますが。


 はい、視聴者さまのイラつきがこちらまで届いています。収録なのに不条理なストーリーですね。では、手早く解答発表です。 わたしの正解・人間は必ず死ぬ。以上。


 どのような気持ちでしょうか? 納得されましたか? 皆さんの気持ちはわかりませんので、さっさと番組を終わります。


 ようやくなんですが、ここからが主題なのです。ナイター中継延長のため、この番組は相当な時間を繰り下げてお送りオオカミしますというギャグを誰が理解出来るのでしょうか。


 わたしはですね、このサイトが正式オープンする前から長いこと、こちらで遊ばせていただいていたならず者の悶絶郎(もんぜつろう)というケチな男なのですがね。年々、こちらで快楽を得るシーンが変わって来ているのですよ。オープン当初はこのサイトのコンセプトもネット小説の作法も知らずに、コンテストに入賞して、小説家デビューをするということしか頭にありませんでした。やがて自分の小説の拙さを実感し、趣味の一環に方針を変え、他の方に読んで貰える事で快感を得ました。ところが最近は、読まれようが読まれなかろうが全く頓着せずに、自由に自分の思ったことをおちゃらけから体制批判まで自由に書けることが極上の快楽になってしまいました。完全に車道から外れて、逆走までしている高齢者ドライバーのようなものです。実年齢も高齢者サイドに寄っかかっていますし。相手方がわたしの全体重を支えられればいいのですが……


 まあ、あとはわたしの本業(?)である勉強家活動ですが、いままでの読書ポリシーを棄却し高裁に差し戻したように、単なる趣味でしかない、広義のミステリー文庫を中心とした小説だけではなく、遅まきながら、教養を深めるための自称「勉強本」を購入し、判型などの些細なことにこだわることなく、興味のあるテーマについて書かれた書籍を購入することにしました。ただ、小説の文章と評論が主である「勉強本」の文章では、想像以上に違いがあり、読みなれぬ「勉強本」はスムースに黙読することも内容の理解も出来ませんでした。このままだと仕方がないので、物語に入り込めないときに用いていたわたしの秘策である「音読」をすることとしました。少しだけ自分の声が騒音にならないかと考えてしまいましたが、ああ、近隣の騒音の方がよっぽど悪質だったことを思い出し、一切気兼ねせずに声を出しました。万が一苦情が来たら、その時には、これまで溜めに溜めてきた不満を入れていた、堪忍袋を引き破って、大反撃を、一切の妥協なくたとえ相手が女や子どもであろうがなんだろうが、奴らの血族を殲滅するのが戦さの常道です。変に情けをかけてしまうと、平安時代末期の平氏のように頼朝たちに仕返しされて結局は自分たちが滅亡してしまうので、一度戦さを始めてしまったら、冷血キャラで押し通すことでしか、明るい未来は見えないのです。これは野生の摂理でありますので容易に批難は出来ないのです。


 音読によって内容を少しずつ理解することが出来るようになりましたし、声を出すこと自体が思った以上に楽しくて、なんとなくストレス発散になります。思っていた以上の効果です。これの体験を基に実用書を出版出来ますかね?


 ただ、小説はどうやら、音読には向いていないようです。特にハルヒなんか音読してしまったら、わたしの人格を疑われてしまいます。まあ、事実、おかしいのですけれど。


 目新しいことをしてみると、なにか心境の変化があるようです。それがいいことなのか悪いことなのかはまだ見当もつきません。人間というものは結局のところ、結果が全てな気もするのですが、どうなのでしょうね?

 ではごきげんよう。また勉強して来ます。

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