第40話喜びと驚きと
ミハイルが零士を見つける少し前。
「まさかと思ったけど、零士に彩と再会出来るなんて、なんか夢みたい!
たまにドミニク隊長からゲンさん経由で日本で元気にやってるくらいしか話は聞かなかったけど、まさかこんな形でなんてねー。
あ、ロウにはなんて説明しよ......でもでも、きっと会えた話をしたら喜ぶよね。
うんうん。きっとそう。だって訓練生時代から仲良かったし。さてさて、ホテルに戻りますか」
————————————————————
ホテルフォーリーフ
外資系だが、比較的リーズナブルな価格から人気のホテルだ。
このホテルの8階に、日本に派遣されて来たPMCヴァルハラのメンバー数人が滞在している。
「たっだいまー!」
元気良くドアを開けるウルスラ。
室内では1人がノートPCで作業をし、1人がスマホで誰かと連絡を取り合っている。
他にウルスラから見て残りの1人はタブレットPCで作業中。
ウルスラに最初に気づいた女性隊員は怒りを
「たっだいまー!じゃないでしょウル!装備のチェック済んだの?私達は...」
言いかけた所でウルスラは面倒な事になると察して装備に向かう。
「分かってますよー。シェスタあんまり怒るとシワが増えるよ」
「あんた反省してないでしょ?まぁ良いわ。ロウが戻って来たら会議が始まるから、良いわね!」
「ロウ居ないんだ。せっかく零士と彩に会えたから、知らせようと思ってたのに」
「えっ?!零士に彩?ウル、ちょっとそれ本当なの?」
ウルスラの言葉に、他のメンバーも反応する。スマホを持った男は、興味つつだ。
「何処で、いつ会えたんだ?教えろよウル」
装備品を点検していた男は、装備をケースに閉まった後立ち上がり。
「ああ、日本にいるのは聞いてたが、会えたのか?」
あまりの反応に驚くウルスラ。ちょっと皆落ち着いて!15分くらい前に、バンビーナってカフェでね。
突然過ぎて、私も驚いちゃってさ~、会話しないで帰って来ちゃった」
スマホを持っていた男はあからさまに残念そうな反応をする。
「はぁ?なんだそりゃ?連絡先は?」
タブレットPCを操作していた男も反応する。
「ウルスラ、まさかそれだけか?」
「あ、うん」
「マジか!お前そりゃないだろ!使えないやつだなー。残念過ぎるわ。こんな事にまで気が回らないとか、有り得んわ」
「ちょっと言い過ぎじゃないのイーロ!」
「イーロは彩に気があったからな。そりゃ怒るだろ」
「う、うるせえよっ!それよか他のメンバーとの連絡は終わったのか?ボーエン」
「終わったよ」
「そ、そうか」
「多分大丈夫」
「多分かよ......」
「そうだ、ロウにメールで教えとこ」
スマホを取り出すウルスラ。
————————————————————
別の高級ホテル。帝王ホテル。
このホテルの一室で、ロウは部下からの報告をスマホで聞いていた。
「クライアントは後10分程でホテルに到着予定。変化はありません」
「了解だ。引き続き監視を続けてくれ」
ロウの隣に居る女性が、ロウに尋ねた。
「隊長、クライアントは安全管理に対する考え方が、あまりに素人過ぎると思うのですが」
笑顔で答えるロウ。
「仕方ないさ、この国は比較的安全だからな。国内で派手な外国人過激派の攻撃に晒された事もないんだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます