第3話
次の日。
「なつー!!同窓会あるんだってー?」
店長から言われた。
店長は、思いやりがあってとってもガサツな所もあるけれど、優しい人。
田舎だから、情報がすぐ回ってしまう。
「さすが店長!話早いねー。今回は誰から聞いたの?」
「内緒だよー!楽しみじゃん!」
「べつにー。いつもと変わらないよー!いつものメンバーだし 」
……でも今朝……実は。
毎日私は、いつも同じ道を通って出勤している。
いつも何も変わる事ない普通の道。
でも、今日は。
いつもとは違う事が起きていた。
桜の木の枝に、見知らぬハンカチが枝にくっつけられていた。
誰かの落し物かな?と思ったけど、あまり人通りの多い場所でもない。
それに木に誰かに気づいてほしそうに結ばれていた。
こんな所にあるなんて……。
いったい誰が。
私は、『 落し物 』と書いたメモを添えてみた。
仕事も終わり。
あのハンカチとメモがずっと気になっていた。
カタカタカタカタ。
いつよりも気分は足早になっていた。
早く見に行こう。
暗い中、何かがぶら下がっているのが見えた。
私が書いたメモとは違うメモが、添えられていた。
そこには……。
『 落としてません 』
それを見た私は、少しだけ。ほんの少しだけ。
クスッと笑ってしまった。
いったい、このハンカチはどんな意味があるんだろう。
私は、部屋に戻り、手紙の返事を書いた。
『あなたは、なぜハンカチを?』
それからは、変な手紙のやりとりが始まった。
なぜ、知らない人とこんなやりとりをしているのかはわからないけど、楽しいと思えてしまっていた。
平凡な日常から、少しずつ離れていくのを感じていた。
そういえば……明日は、同窓会か。
何着て行こうかな。
きっとみんな都会から来るし、お洒落してくるよね。
私は、お洒落も大好きで毎日毎日、服選んだりネイルをしたり。
それに田舎っぽいとか思われたくなくて
ネイルも念入りに頑張ってみた。
サクライロのピンクのネイル。
そうだ。
ストーンもつけちゃおう。
私の大好きな花。サクラ。
桜の花びらを描くように散りばめた。
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