第185話 なにゆえ

『ん?』

 当然のように、僕の上で丸くなるチョビさん。

 寒くなったせいか、一度丸々と動かない。

「ちょっと、プラモデルを…」

 作ろうかと思っても退かないチョビさん。

 無理やり床に降ろすと、不思議そうな顔で僕を見る。

『なぜ僕は降ろされたのか?』

 ソファの周りを一周して、また僕の上にピョンッと飛び乗り丸くなる。

「チョビさん…」

 もう一度降ろすと、今度はしばらくその場で座って考える。

『ん? 桜雪はソファ座っている…僕は、その上で寝る…降ろされる…どうして?』

 チョビさん的にも解らないのだ。

 桜雪いる、僕乗る、降ろされる?

 幾度か繰り返すうちに、リビングを出ていったチョビさん。

 数分おきにドアから顔を出しては

『桜雪ーーー‼ まだー?』


 集中できないので、プラモデルを諦めた。

 僕が自分の太ももをポンポンと叩くと走ってきて飛び乗る。

『なんかしらんけど、終わった?』

 僕の顔に頭を擦り付けて喉を鳴らすチョビさん。


「自由時間が欲しい…」

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