第183話 ルール

 チョビさんにはルールがある。

『桜雪の手足は噛んでも良いが、顔は噛んではいけない』


 よく僕を噛むチョビさん、不思議と顔を噛んだことは無い…ような気がする。

 叩きはするのだが。


 不思議に思うことがある。

 これだけ姿形が違う僕をチョビさんはどう思っているのだろう?


 足元でウロウロと纏わりついて、寝るときはピタッとくっ付いて、腹の上でくつろぐ。


「チョビさん…僕の事が好きですか?」


 アクビをして僕をポケーッと見ている小さな顔をチョンッと突いてみる。

 喉を鳴らして目を細めるチョビさん。


 人は他人を容姿で判断するのに不思議なものだ。

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