第139話 高いトコから

 チョビさん、帰宅すると出迎えがない。

「機嫌が悪いか…寝ているか…脱走したか…」

 リビングに行くと

『桜雪、おかえり』

 チョビさんが棚の上を見上げている。

 何を見ているのか?

 視線の先には…

『桜雪…おかえり』

 クロさんである。


 また降りられなくなったらしい。

「クロさん…」

 とりあえず手を伸ばしてクロさんを抱っこして床に降ろす。

『桜雪…ありがとね』


 ノソノソ…っとリビングを出ていくクロさん。

 付いていくチョビさん。

『桜雪、また後でね』


 クロさん…なぜ毎度、棚の上に挑むのだろう。

 降りられなくなるのに…


 おっとりとしたアクティブ思考か…。

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