第94話 容赦ネェな

 足を挫いた…

 階段を踏み外した…


 シップ貼って、眠る…。

 バイト残り2日ある…。

 まぁなんとかなるだろう、で…年末年始8連勤入れたのだ。

「アホ程疲れる…こんな荒れた日本海に何しに来るの?」

 家族連れは迷惑である。

 汚す、布団敷く数は増す、本当に迷惑だ。


 そんな疲れで階段を踏む外した。

 いっそ転べば良かったのかもしれない。

 中途半端に踏ん張ったのだ。

 昔取った杵柄…中途半端な運動神経が仇になって返ってくる、それが廊下だ。

「足…逝った…」


『桜雪いる? 寝る?』

 チョビさんが当然のように僕の足を枕に眠る。


「チョビさん…痛い…」

 猫は足を挫かないのだろう…。

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