第85話 避難所

 深夜に雷鳴が轟く冬…。

 ドデデデデ…

 クロさんが寝室に入ってくる。

『桜雪…大変だ…』


 クロさん、そそくさとベッドの下へゴソゴソと入って行く。

『桜雪、静かにな…頼むぞ』


 クロさん雷が嫌いである。

 鳴りやむまで、引き籠るのだ。

 ご飯はもちろん、水すら飲みに出てこない。


 部屋から出ないけど、ご飯は食べるという甘えたニートと格が違うのだ。


 引き換えチョビさん、ポヤーッと母度の外を見ている。

『桜雪…光るね~』

 チョビさんは、落ちないかぎり雷に怯えない。


 たまにクロさんの様子を見に行く。

『桜雪、黒いのまだ出てこないって』


 デカいだけで臆病なクロさんなのである。

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