第57話 心配したのか?

『桜雪ー!!』

 深夜から朝まで、棚卸のバイトに行った。

 とにかく連絡が悪い会社である。

 社員の態度も悪い…来年はやらないと思う。


 それはさておき…朝方の帰宅。

 当然と言えば当然。

 チョビさん、独りで寝ていたわけで…

 帰宅早々に起きてきて、吠える。

「みゃあ、ミャア…みゃあみゃニャー!!」


 何やら訴えてくる。


「チョビさん…次のバイトまで3時間…桜雪…寝ます」


『桜雪…起きて…起きて…』

 足に噛みつくチョビさん。

 顔に尻尾を叩きつけるチョビさん。


 寝れないままバイトへ…

「桜雪さん、布団敷き忘れてます」

「えっ…すいません」


 もはやボロボロ…

 再び夕方帰宅してベッドで寝る…。

『桜雪起きて!!』

 元気なチョビさん、いつもより強く噛むのは…

 怒っているのだろうか?


 とりあえず眠って夜中に目を覚ますと、顔の横で丸まって眠るチョビさん。

 僕の手に自分の前足をチョコンと乗せている。

 ときおり寝ながらキュッと握る。

「一応…心配してるのだろうか?」

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